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飯島鋼管株式会社様

三つの事業の強みを生かすためシステム統合とデータ一元化を推進

飯島鋼管株式会社様

『SMILE BS 販売』と、『eValue NS』を新たに導入し、統合的なシステム連携を図ることで、業務のスピードを加速させた飯島鋼管株式会社様の導入事例をご紹介します。

業種:卸売業
従業員数:70名(2014年12月現在)
事業内容:鋼管事業、機械加工事業、産業資材事業、土木建築事業

http://www.iijima-kk.com/

課題業務:

鋼管、機械加工、産業資材の三つの異なる事業の強みを生かすため システム統合とデータ一元化を推進

飯島鋼管株式会社は、東京都江東区の本社、埼玉県の吉川工場、茨城県の土浦支店の三つの拠点で、鋼管事業、機械加工事業、産業資材事業、土木建設事業という、全く異なる業態を並行経営する企業である。ベンダーのサポートを得て、オフコン時代から基幹業務システムを業態に合わせてカスタマイズしてきた。現在は『SMILE BS 2nd Edition 販売』の鋼材卸売向け販売テンプレート『Power Steel』をさらに最適化し運用。また、グループウェア『eValue NS スケジューラ・コミュニケーション』も導入し、事業部同士の情報共有を強化して、材料から加工まで一貫して行なう事業を展開している。

導入の狙い
  • 事業部同士の情報共有の強化
  • OSのバージョンアップを機にシステムの見直し
  • 入力作業の一元化とデータの活用
  • 営業活動の一元化と"見える"化
導入効果
  • システムのバージョンアップで業務が効率化
  • 事業部ごとの事務処理・管理業務の省力化
  • 入力作業の一元化によるミスの防止

三つの事業で半世紀以上の歴史 鋼管在庫で関東圏トップクラス

代表取締役 飯嶋 敏彦氏

飯島鋼管株式会社(以下、飯島鋼管)は、鋼管の在庫・切断・販売、機械加工、産業資材在庫・販売、土木建築という、異なる事業を展開している企業だ。

創業は1957年。鋼管事業から始まり、1960年頃に茨城県の土浦営業所で産業資材を扱い始めた。機械加工事業を始めたのは1973年で、本格化したのは1985年からだ。飯島鋼管の売上構成比の半分は鋼管事業部が占め、機械加工事業部は30~35パーセント、産業資材事業部は15~20パーセントとなっている。半世紀以上の年月を重ねながら、創業以来20年、30年と取引が続いている顧客が多いのは、そのニーズに細やかに応えてきた証だろう。

社のメイン事業である鋼管事業部では、配管用鋼管、構造用鋼管、熱交換用鋼管などを取り扱う。あらゆる用途に対応する鋼管を、小径から大径、薄肉から厚肉まで、多種多彩に常備在庫している。材質についても、スチールは関東圏トップクラスで、アルミやステンレスなども国内有数のストック・バリエーションを誇る。単品から多量まで、数ミリ単位の切断にも即応でき、同一工場内で出庫、切断、積み込み、出荷を一括で対応できるため、受注から最短2時間での発送が可能だという。

機械加工事業部では、主にプラスチックの射出成形型機用シャフトや、大手印刷会社を顧客とする印刷機械用ローラーを取り扱う。温度によって伸縮する金属をミクロン単位で加工するため、工場の温度・湿度は厳密に管理されている。国内外から最先端の加工機械を導入し、鏡面加工や曲り矯正など、加工技術のバリエーションも拡充している。

土浦支店の産業資材事業部では、工場資材から住宅設備機器まで幅広く豊富に取りそろえている。パイプ等の上下水道工場設備配管材料、塩ビ管、鋼管類、ボルトやパッキンなどの副資材類、工具類がその場で手に入るため、工事関係者が現場に行く前に立ち寄り、その日の作業に必要なものを購入していく、いわば「資材のコンビニエンスストア」として重宝されている。

また、飯島鋼管は建設業の許可も受けており、大手建設会社からの依頼で造成工事や外構工事をはじめとする土木・建築工事を請け負う。

「当社の社屋はすべて自社で施工しています。現在、吉川工場C棟を建設しており、2015年1月に完成する予定です。それが終われば、本格的に建設業にも注力していきます」と代表取締役の飯嶋 敏彦氏は事業展開を語る。

2012年1月、飯島鋼管は吉川市に建設した新工場に機械加工事業部を、5月には鋼管事業部を移設した。それまで茨城県土浦市や埼玉県三郷市、吉川市、千葉県野田市にあった拠点を、吉川工場と土浦支店に集約させたのだ。

「鉄鋼業界は、メーカーがどんどん減ってきており、流通も統合合併が進み縮小傾向です。円安による国内回帰を期待したいところですが、海外に工場を移した他社は、その海外拠点にこれまで相当な設備投資をしている以上、簡単には引き上げられないでしょう。今後、国内シェアはますます縮小していくと思います。そのなかでどう生き残っていくか。私たちは材料である鋼管類と、加工ができる機械と技術の強みを生かそうと考えました」と飯嶋氏。

同社の円筒状の加工技術はどこよりも熟練している。材料屋でありながら、機械加工まで一貫して行える企業という点では日本でも指折りの企業だ。今回、拠点を集約し、吉川工場に鋼管事業部と機械加工事業部を置いたのは、材料の在庫から加工、出荷までを同工場内で行なうことでリードタイムが短縮でき、管理も容易になるという狙いがあったという。

「拠点が分散していると、管理部門も分けなければなりません。拠点を減らせば、管理の一元化が可能になり、連絡の流れも集約され、効率化によりコストカットも可能です」と飯嶋氏は語る。

鋼管販売の基幹業務をシステム化『PowerSteel』の機能強化を図る

拠点の集約と共に進めてきたのが、システムの統合だった。そのIT関連のサポートは日本ナレッジ株式会社(以下、日本ナレッジ)が担ってきた。

「日本ナレッジさんとは、創業以来の付き合いです。日本ナレッジ 代表取締役の藤井 洋一氏は、出会った当時、信用金庫の営業をされていて、当社の担当でもありました。私が22歳くらい、藤井さんは23歳くらいだったと思います」と話す飯嶋氏の口調は懐かしそうだ。

飯島鋼管は、日本ナレッジの藤井氏の勧めで、オフコン時代から基幹業務のシステムを使用していた。「ああいうことがやりたい」「こういうことがやりたい」と話し合いながら、鋼管事業に合うようカスタマイズを加えていったという。

「鋼管販売の計算式は、例えばパイプであれば、径と肉厚と長さの数値と、顧客ごとのベース単価の入力で算出されます。難しいのは在庫管理です。たとえば6メートルあるロングの鋼管を1メートル切ると、今度は同じ径と肉厚の5メートルという鋼管が1本できます。それを在庫として反映するには、一品一様の単管のデータがずらりと並ぶというシステムにせざるを得ませんでした。さらに形状も大きさもさまざまで、本数と重量をダブルカウントしていく必要があります。これらの要望をシステムに盛り込むため、日本ナレッジさんと一緒に、長年にわたり改良してきました」と飯嶋氏は当時の苦労を振り返る。

こうして飯嶋氏は、日本ナレッジのエンジニアに、重量計算や二重計算といった鉄鋼業界ならではのノウハウを伝えながら、カスタマイズを重ねていった。そしてこのカスタマイズが、OSKの鋼材卸売業向け販売テンプレート『Power Steel』の開発協力につながっていったのだ。まさに、飯島鋼管は「『Power Steel』の生みの親」とも言える。

現在、鋼管事業部ではオフコン時代から4度目の切り替えで、『SMILE BS 2nd Edition 販売』と『Power Steel』が連動稼働している。

クライアントOSの入れ替えを機に社内システムの改善を図る

一方で、機械加工事業部では鋼管事業部とはまったく違う販売管理システムが求められた。機械加工は基本的に受注生産のため、受注に対して材料と工程の項目があり、日時、担当者、作業内容を記録として残さなければならない。これには日本ナレッジが『Power Steel』をカスタマイズすることで対応し、2014年11月にWindows XPをWindows 7に入れ替えるタイミングで運用を始めた。

「システムを一からカスタマイズしていくと、高くつきます。どうしても合わせられない部分は仕方がありませんが、ある程度は業務の流れをシステムに合わせることも必要です。システム自体、10年も20年も使えるものとは思っていませんので、費用対効果を考えなければなりません」と飯嶋氏。

今回のWindows XPからWindows 7への移行では、単にソフトを乗せ換えて、コンバートだけ行えば安く済む。しかし、ITは日々進化しており、PCの処理速度も速くなってきている。であれば、今までのシステムでできなかったことが、できるのではないかと考えた飯嶋氏は、日本ナレッジに『Power Steel』をベースに何ができるのかを確認し、可能なところまでカスタマイズを行っていった。

「当社にとって、今回のOSの入れ替えは、社内システム見直しの良いきっかけなりました。こういう機会でもないかぎり、現行で使えているものは変えようとは思いませんから」と飯嶋氏。こうして、使い慣れた『Power Steel』をベースに、機械加工事業部の販売管理システムも構築していった。

グループウェアで営業行動を管理 事業リンクで新たな提案営業を

飯島鋼管では、1年前にグループウェア『eValue NS スケジューラ・コミュニケーション』も導入している。目的は営業の業務管理だった。

これまでは鋼管事業部、機械加工事業部、産業資材事業部が、それぞれの営業の活動状況や実績を個々に管理していた。ところが、拠点を集約したことで、鋼管事業と機械加工事業のコラボレーションが容易になり、事業部をまたいだ提案営業が可能になったのだ。

「これまでは、一つの会社内に材料屋と加工屋という、違う会社があるような状態でした。お互いが情報を共有していなかったことで、客先がバッティングしたり、客先で『こういうことはできるか』と聞かれても分からずに受注を逃したり、トラブルになることもあったりしたのです。しかし、みんなが情報を共有することで一体感が出て、よりお客様のニーズに合った仕事ができるようになれば、売上も増えてくると考えたのです」と飯嶋氏は語る。

飯島鋼管では、営業担当者が『eValue NS スケジューラ・コミュニケーション』に活動状況を入力し、全社でリアルタイムに情報を開示するなど、各部門の強みを生かした提案営業の情報基盤を確立している。

さらに同社では、土浦工場の完成に合わせてクラウドのレンタルサーバーを導入し、各事業部のデータを一元化する構想も進行中だ。

現在、同社の経理業務は、事業部ごとにある『SMILE BS 2nd Edition 会計』に入力してから、データを本社に集め、全社の経理システムに再度入力している。今後は、クラウドのレンタルサーバー上にある『SMILE BS 2nd Eition 会計』へ各事業部から直接入力し、データを一元管理できるように、経理業務の効率化を図るのだ。

「データを二重に入力していると、時間の無駄だけではなく、必ずミスが発生します。なので、一度入力したデータを一元管理できる体制を整えているところです。どの事業部もパイプを切断する工程があるので、メインシステムは鋼管事業部で使っている『Power Steel』で一元化します。この計画も日本ナレッジさんにお任せしています」と飯嶋氏は構想を語る。

今回のシステムの統合化とデータ一元管理、スケジューラーの導入は、拠点が離れ、異なる事業を展開する同社にとって、どこにいても会社全体の状況をリアルに把握できるという大きなメリットとなる。

最後に飯嶋氏は、「日本ナレッジさんは、日本一のサポートと信頼しています。リモートサポートも導入して、何かあれば瞬時に対処してくれるので、私には日本ナレッジさんのサポートでないとダメなんです」とにこやかに語った。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記載内容は2014年12月現在のものです。

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