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フジメンテニール株式会社様

収支の見える化、人の管理などの経営課題をビル管理業者向けシステムで克服

フジメンテニール株式会社様

「収支の見える化」「複雑な事務処理」「人の管理」という経営課題を解決したビルメンテナンス業のフジメンテニール株式会社の事例をご紹介します。

業種:ビルメンテナンス業
従業員数:220名(2013年9月現在)
事業内容:設備管理、清掃・環境衛生管理、赤水防止業務、建築物の点検・リフォーム工事業務、警備保安業務、駐車場管理業務、清掃資機材の販売業務、ホスピタルメンテナンス、電波クリーニング

http://fuji-mente.co.jp/

課題業務:

収支の見える化、複雑な事務処理、人の管理という経営課題をビル管理業者向けのシステムで克服

フジメンテニール株式会社は、建築物の総合管理業務のエキスパート。高品質なサービスを提供するため、外注率を上げずにスキルの高い自社スタッフによる運営を徹底している点が特長だ。しかし、事業の拡大と共に従業員も増えるため、労務費を含めた収支の見える化や膨大な事務処理の効率化を図ることがますます重要になる。そこで、同社はOSKのSMILE BSテンプレートの一つであるビルメンテナンス業向け販売管理システム『B.M.Manager』を有効活用することで、その経営課題を克服。理想的な業務基盤を構築することに成功した。

導入の狙い
  • 労務費を含めた契約案件ごとの収支管理
  • 帳票イメージの見やすさの追求
導入効果
  • 収支の見える化による適正利益や適正人員の把握
  • 請求漏れや作業漏れの解消
  • 煩雑な事務作業の効率化
  • 一目で収支が分かる帳票の作成が可能に

自社スタッフが一貫して対応 こだわりのビルメンテナンス

建築物の総合管理業務を営むフジメンテニール株式会社は、1971年に設立された。設備管理(冷暖房・給排水・換気・空調・電気・自動火災報知・通信設備などの保全管理)をはじめ、清掃・環境衛生管理、赤水防止業務(水道水の赤水対策・水質管理)、建築物の点検・リフォーム工事業務、警備保安業務、駐車場管理業務、清掃資機材の販売業務など、建築物に付随するあらゆる管理業務をワンストップで提供している。

また同社は、17年ほど前から業界に先駆けて、病院に特化したホスピタルメンテナンス事業を展開。通常、看護師が医療行為以外に行っている煩雑な業務や手術準備に必要な器具の洗浄やセッティング並びに清潔区域の環境モニタリング業務を一手に請け負っている。これにより、看護師は本来の業務に専念でき、なおかつ病院側は専門職種ゆえに高額な看護師の残業代を削減できるという二重のメリットが生じる。このサービスは同業他社が手をつけていない分野であるため、同社の大きな強みの一つになっている。

さらに、最近では電波クリーニングという新規分野も開拓している。これは、建築物内で盗聴器や盗撮器の有無を調査する業務だ。「今は盗撮映像がインターネットにすぐに流出するので、欧米のホテルでは盗聴・盗撮対策は必須です。日本でも、女性専用の独身寮などでニーズが急増しています」と代表取締役の安藤 隆氏は語る。

同社の大きな特長として、外注率を極力抑え、「自営」を貫いている点が挙げられる。例えば、建築物の清掃業務は同業他社では外注するケースが一般的だが、同社はほぼ100%自営で行っている。また設備管理の面では、専任スタッフが都内近郊の取引先を巡回している。巡回先のビルで壁の亀裂、消防関係の不備などを発見すれば、直ちに修繕の提案を行っている。自社スタッフが現場の状況を確認しながら適切な業務を遂行することで、高品質なサービスを一貫して提供している。

安藤氏によれば、同社は「私たちが現場を見させていただいて、最後までお客様に安心していただく」という姿勢で顧客と接している。こういったこだわりが、競争が激しいビルメンテナンス業界の中でも、同社が顧客から継続的な信頼を勝ち得ている要因だ。特に2011年の東日本大震災以降は、建築物の安全性を維持するために設備管理のニーズが増え、同社の役割がますます重要視されている。

ビルメンテナンス業務に最適で理想的な基幹業務システムを導入

フジメンテニール株式会社
代表取締役 安藤 隆氏

そんな同社だが、かつては経営課題が山積していた。

第一に、「収支の見える化」ができていなかったことだ。

これは、現場にスタッフが出向いて初めて仕事が成り立つビルメンテナンス業務特有の事情にある。ビルメンテナンスは仕入れコスト全体に占める労務費のウェイトが大きい。しかしながら、通常の販売管理システムでは、労務費を仕入れ金額として計上できないという問題があった。そのうえ、1人のスタッフが複数の現場で作業するケースもあり、各案件に労務費の配賦が発生し、原価計算が複雑になってしまう。このため、請求書が残る外注ではなく、自社スタッフでのビルメンテナンスにこだわる同社は、案件ごとの適正利益を明確化できていなかった。

同社が今後、ビジネスの拡大をするためには、人員を増やさねばならず、案件ごとの労務費や経費、外注費を正確に把握しておく必要がある。そのためには、労務費を含めた「収支の見える化」が最重要課題とされた。

第二の課題は、「事務の効率化・簡略化」だ。

例えば、同社が顧客と交わす契約では、毎月定期的に行う清掃業務や、年2回だけ実施するエアコンの点検業務など、ビルメンテナンスと一口に言っても、その業務内容は多岐にわたる。また、ビルのオーナーと直接契約を交わす場合もあれば、同じビルのメンテナンスでもテナントごとに個別契約を交わす場合もある。

つまり、ビル1棟のメンテナンスを取ってみても、その作業日時や作業内容、請求先、請求日時がすべて異なる場合があり、それらの契約にまつわる事務作業は煩雑にならざるを得ない。そのうえ、同社と契約している建築物の数は数百件にも上る。

これらの煩雑かつ膨大な事務作業は手作業だけでは管理しきれないのが実情である。以前は、作業漏れや請求漏れなど人的ミスが生じるケースも少なくなかったという。

最後の課題は、「自社スタッフ管理の精度向上」だ。ビルメンテナンス業務は、現場スタッフが顧客先へ直行直帰で行うことが多いため、勤怠管理が容易ではない。しかも、現場によって就業時間や時給・日給・月給など給与形態が異なるので、スタッフの給与計算が複雑になりやすいのも問題であった。

これらの課題を解決するため、同社は10年以上前からシステム化の重要性を認識し、多額の費用をかけてオフコンベースの基幹業務システムを構築した。ところが、ビルメンテナンス業務の機能が洗練されていなかったため、実際の業務にそぐわず、システム化が失敗に終わるという苦い経験を味わった。

しかし、その後、複合機の導入でかねてより取引関係にあったベンダーから、2002年にビルメンテナンス業向け販売管理システム『BUILDサポート』を導入。さらに2011年5月に現在の『B.M.Manager』へバージョンアップし、自社の業務内容に最適な基幹業務基盤を構築することに成功した。

「10年前は、ビルメンテナンス業界向けのパッケージシステムはほとんど存在していなかったので、OSKさんの販売管理システムは、まさに渡りに船でした」と安藤氏は当時を振り返る。

労務費を含めた収支の見える化 独自の帳票レイアウトを作成

フジメンテニール株式会社
総務 箕輪 陽一氏

まず第一に『B.M.Manager』は従来のシステムとは違い、設備管理や清掃、保安警備など、ビルメンテナンス業界特有の業務に対応。案件別の収支をリアルタイムに把握しながら、コスト削減のための迅速な対策を講じることが可能となった。まさに同社にとっては、収支の見える化という課題を解決するうってつけのシステムである。

「例えば、清掃業務で同じ面積の施設にも関わらず、現場によって人員の数にばらつきがあると利益に大きな差が生じてしまいます。しかし今は、その辺りも数字できちんと対比できるので、受注金額に見合った現場要員数の適正化も図れるようになりました」と安藤氏は語る。また逆に、人件費とサービス内容とのバランスを考慮して、赤字だった案件や、利益率が低かった案件の適正価格を見直すなど、システム導入が経営に与えた影響は大きい。

さらに同社は、2012年9月に『B.M.Manager』のカスタマイズを依頼。新たに「仕入先別仕入売上確認表」を出力できるよう整備した。これにより、スタッフの労務費や消耗品などの経費、メンテナンス工事における外注費なども含めた仕入れ金額と、実際に顧客に請求する売上金額を対比しながら、案件ごとの収支が紙ベースで分かるように工夫を施した。

「現物を見ながら『この項目の位置をちょっとずらしてほしい』といった細かな要望にも一つ一つ丁寧に対応してくれたおかげで、非常に見やすい帳票が出力できるようになったのです」と総務の箕輪 陽一氏は語る。

作業手配や請求、給与計算での煩雑な業務を簡素化

「事務の効率化・簡略化」という第二の課題にも、『B.M.Manager』が有用だ。

例えば、同社では月に300枚以上の請求書を発行している。システム導入以前には、請求金額と売上金額が合っているか、すべて手作業で照合しなければならず、かなりの時間と手間がかかっていた。だが、『B.M.Manager』を活用すれば、見積りや契約情報の入力から売上計算、請求業務まで一気通貫でデータの処理ができる。煩雑な請求業務が簡素化され、作業時間が大幅に短縮された。「たとえ仕事量が増えても現有の人員で十分対処できます」と箕輪氏は語る。

また、『B.M.Manager』には、外注先や自社担当部署への作業手配が完了していない契約がある場合、未手配リストを自動作成できる機能や、定期清掃など月ごとの請求金額を設定して自動計上できる機能も実装されている。これらの機能のおかげで、忘れがちな年2回しか行わない点検業務の作業漏れや、複雑な契約内容での請求漏れを未然に防げるようになった。「特に請求漏れは経営面において大きな痛手となるので、非常に助かっています」と安藤氏は言う。

さらに顧客からの問い合わせにも迅速に対応できるようになったという。紙ベースの管理だけでは、過去の契約内容をさかのぼる手間もあり、書類紛失のリスクなどもあった。システム化によって、それらの問題は解決し、「例えば、『この設備を修理したのはいつだっけ?』といったお客様の質問にもその場で迅速に回答できるようになりました」と安藤氏は説明する。

最後の課題点である「自社スタッフ管理の精度向上」では、『B.M.Manager』と共にOSKの『SMILE BS 人事給与』も導入することで、煩雑な給与計算業務の効率化を図っている。今後は、各現場に設置しているタイムカードと連動した勤怠管理システムの導入も希望している。現行の人手を介した給与データの集計業務を自動化し、計算ミスなどを未然に防ぐことが狙いだ。

最後に安藤氏は、「当社は、自社スタッフによる高品質なサービス提供にこだわっているので、人の管理は特に重要です。そのため、今後もITを効果的に活用していく考えです」と抱負を語った。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記事内容は2015年4月現在のものです。

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