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株式会社曙様

業務用端末にiPad+専用アプリを選択。低コストで使いやすい端末に移行

株式会社曙様

銀座発祥の有名菓子店が業務用端末にiPad+FileMakerを選択。より低コストで見やすく、使いやすい端末への移行を実現させた、株式会社曙の事例を紹介します。

業種:食品製造、販売
従業員数:390名(2015年10月現在)
事業内容:和菓子製造販売

https://www.ginza-akebono.co.jp/

課題業務:

銀座発祥の有名菓子店が業務用端末にiPad+FileMakerを選択。より低コストで見やすく、使いやすい端末への移行を実現

「銀座あけぼの」の名で知られる菓子店を全国展開する株式会社曙。「お客様の心を満たす」ことをテーマに掲げた商品開発と心のこもった接客は、多くのリピーターの獲得につながっている。商業施設のテナントを中心に全国91店舗を展開する同社は、業務用端末のリプレースにあたり、iPadとFileMakerによるソリューションを選択。従来のPDA型ハンディターミナルに比べ、より見やすく、操作しやすい端末をより低コストで導入することに成功した。

導入の狙い
  • 安定的な運用が可能な業務用端末をより低コストで導入したい
  • 大画面化により、業務用端末の操作性向上を実現したい
導入効果
  • 高機能な業務用端末をより低コストで導入
  • 大画面でタッチ操作可能な業務用端末への移行を実現

「心を満たす」をテーマに従業員教育にも心を配る

経理部 情報システム課
課長 八木 和也氏

株式会社曙(以下、曙)の名を初めて耳にする人でも、「銀座あけぼの」の名を知らない人はそう多くはないだろう。17種類のおかき詰め合わせ「味の民芸」、栗の形をした皮に大粒の栗が丸ごと入った「栗もなか」など、同社の人気商品の数々は多くの人にとってなじみの味のはずだ。同社の直営店である「銀座あけぼの」は、北海道から九州・鹿児島まで91店舗。そのファンは全国に広がっている。

同社のルーツは、現社長の細野 佳代氏の祖父が敗戦からまだ間もない1948年、銀座四丁目交差点近くに、冬はおしるこ、夏はかき氷の店を開店したことにさかのぼる。甘いものが貴重だった当時、その存在は、敗戦後の暮らしに疲れきった多くの人々の心を和ませたという。ちなみに、「あけぼの」という名前には、新しい日本の夜明けを願う気持ちが込められているという。

創業以来、日本人の味覚や嗜好の変化に応じ、新商品の開発をはじめ、新しい取り組みを続けてきた同社が最も大切にするのは、「お菓子が満たすのは、お腹ではなく、心である」という一言。北海道の契約農家が手塩にかけて栽培した大豆をはじめとする素材へのこだわりや、熟練の職人たちによる徹底した品質管理の背後には、そうした思いが込められている。

「お客様の心を満たす」という取り組みにおいて、現在同社が最も重視しているキーワードが「おもてなし」だ。銀座あけぼので買い物をした際、店舗スタッフが対面ショーケースの前まで進み出て商品を手渡しすることに驚かれた方も少なくないはずだ。それも全社を挙げて取り組むおもてなしの実践の一例だ。経理部 情報システム課 課長の八木 和也氏は言う。

「お客様の目を見てお話しする、ショーケース前に出て商品をお渡しする、お客様の姿が見えなくなるまでお辞儀をするなど、おもてなしの基本を毎日、朝礼の際に従業員同士で話し合うなどしてその意識を高めています。こうした取り組みを開始して5年になりますが、社内全体におもてなしの意識が定着化し、お客様からも好評です」

なお同社は同様の取り組みを、普段お客様に接することがない本社スタッフの間でも行っている。おもてなしの意識定着化の背後に、こうした全社的な徹底化があるといえそうだ。

和菓子業界は、顧客の高齢化という課題に直面している。もち菓子やもなか、おかきを中心にする同社もそれは同じで、若い世代に受け入れられる新商品の開発は大きな課題の一つだ。また、成田空港第一、第二ターミナルに店舗を出店することもあり、近年、おみやげとして同社のお菓子を買って帰国する外国人観光客も増えているという。

「現時点ではまだ海外への出店は考えていません。しかし、当社のお菓子が海外のお客様にも受け入れられていることを考えると、将来的には、海外展開は避けて通ることができない道だと感じています」

ちなみに、今日、おかきの定番の一つになった「チーズおかき」を初めて考案したのは、同社先代社長という。和菓子の伝統にとどまることなく、新たな挑戦を果敢に続けてきた曙は、これからも新たなチャレンジを続けていく。

各社の業務専用端末と比較し 業務端末としてiPadを選択

曙のIT導入は比較的早く、1990年代のオフコンによる基幹業務システム導入にさかのぼる。COBOLベースの同システムは、最新ハードウェアに載せ替えながら、今日でも稼働中という。また、各店舗の発注業務や売上報告、在庫数に関する報告は、早くからPDA型ハンディターミナルを使って行ってきた。八木氏は言う。

「当社に私が中途入社したのは12年ほど前のことですが、当時はハンディターミナルの故障も多く、毎月5、6台が故障するなど、その対応に追われる日々でした。7年ほど前に2世代目にリプレースしてからは、ようやく安定して運用できるようになりました」

長年にわたって使用してきたPDA型ハンディターミナルの機能に大きな不満はなかったという。そのサポート終了に伴い、新機種の検討を開始したのは2014年のことだった。

そして最終的に同社が選んだのは、iPadをハードに、FileMakerで専用アプリを構築するという選択だった。その理由を八木氏はこう説明する。

「注目したのは、iPadという広く普及するコンシューマー製品を利用することによって導入コストが削減できる点でした」

店舗スタッフが利用するフロント系システムの場合、業務に応じ、随時変更が加えられることが一般的だ。一般的なパッケージソフトと違い、FileMakerであれば、随時短納期で変更に対応することが可能になる点もメリットの一つだ。

「私がCOBOLエンジニアということもあり、提案当初はFileMakerというソフトの存在を知りませんでした。説明を聞き、既に日本国内でも企業ニーズに対応した開発実績が多いことを知り、検討の末、これで行ってみようと決断しました」

大きな問題なくiPadへの移行を実現

iPadとFileMakerによるソリューションの採用が決定されたのは2015年1月。同年9月には、旧端末からの全面的な移行を実現している。

「当初は8月の移行を予定していましたが、6月に完成したパイロット版への店舗サイドからの要望が予想以上に多かったこともあり、移行を一カ月遅らせることにしました。それ以前に数店舗でテスト運用を開始していたこともあり、大きな問題は特になく全91店舗の端末の移行を終えることができました」

端末配付は月一度の店長会議を利用して行い、操作の説明は2グループに分け2日がかりで行ったという。なお同社は配付に先立ち、操作マニュアルの作成も行っている。

「操作の説明はスライド資料を用意して行いましたが、iPadのようなタブレットをこれまで操作したことがないという人も多かっただけに、操作の説明は、やはり一番苦労した部分です。それもあり、配付後まずは端末を自由に使ってもらった上で、1週間の時間を空けて運用を開始しました」

画面の大型化が店舗スタッフにも好評

iPadとFileMakerによる店舗端末ソリューションは、店舗スタッフにも好評だ。特に、従来のPDA型ハンディターミナルに比べ画面サイズが拡大したことは、誤発注の防止をはじめ、操作性の大幅向上につながっている。

「当社の店舗には、高年齢のスタッフも多数勤務しています。それもあり、新システムでも基本的な画面デザインは踏襲した上で、より見やすく、使いやすくすることを心掛けています。実際、以前はぎりぎり詰め込んで数行しか表示できませんでしたが、現在は十数行を見やすい形で表示できるようになっています。またスクロールで情報を追えるようになったことも大きなポイントですね」

端末は現在、発注業務や売上報告に加え、店舗間の商品移動の報告など多角的に活用されている。

「ある商品が売れすぎた場合、本社への追加発注による対応はタイムラグが生じます。こうした場合、当社は近隣店舗からの店舗間移動で対応することが少なくありません。その報告も端末で行っています」

iPadから本社に送信されたデータはSQLサーバーに転送されて経営分析に活用されると共に、経理や棚卸しなどの業務などにも活用されている。また、現在同社は、店舗だけでなく、本社にもiPadを導入し、店舗・本社間とのコミュニケーションをはじめとする業務に活用している。

「店舗とのメールのやり取りはこれまで携帯メールで行ってきましたが、現在はiPad同士で行っています。同じ端末を使うことで、よりスムーズにやり取りが可能になったほか、アルバイト募集にSNSを活用するなど、これまでにない取り組みにもつながっています。そのほか、食品原材料一覧の電子化など、iPadの活用は今後さらに進めていくつもりです。一方、FileMakerの可能性は、私自身まだつかみきれていないのが実情ですが、今後、勤怠管理や顧客管理への活用を視野に入れて検討を進めたいと考えています」

iPadとFileMakerによるソリューションによって、より見やすく、使いやすい業務用端末を得た曙は、そのさらなる活用を今後も積極的に進めていく考えだ。

© 2016 FileMaker, Inc. FileMaker、ファイルメーカーおよびファイルフォルダロゴは、米国およびその他の国々におけるFileMaker, Inc. の商標です。

会社名、製品名などは、各社または各団体の商標もしくは登録商標です。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記載内容は2016年2月現在のものです。

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