閉じる

株式会社東具様

情報系システムで社員の意識改革と自立性を重視した運用へ

株式会社東具様

情報系システムの効用を実感しながら社員の意識改革を進め自立性を重視した運用を目指す株式会社東具 様の導入事例をご紹介します。

業種:広告代理業
従業員数:90名(2011年5月現在)
事業内容:各種販売促進の企画・立案・実施。POP広告用企画製造・広告代理業等に関する業務全般

https://www.togu.co.jp/

課題業務:

情報系システムの効用を実感しながら社員の意識改革を進め自立性を重視した運用を目指す

POPや宣伝用のぼりなど、店舗用販促ツール製作をメインに事業展開する株式会社東具は、ものづくりへのこだわりを武器に、大手企業からの直接受注で業績を伸ばしている。さらなる成長を目指すため業務効率化を目的に3年計画で文書管理、企業ポータル、ワークフローと情報系システムを段階的に導入。その効用を実感させる独自の工夫を施しながら、社員への普及を図っている。

導入の狙い
  • 全国の拠点における情報共有
  • 物品購入等の決済の記録
  • 社員の教育ツールとしての活用
導入効果
  • 社内組織を見直し、職務分掌(権限責任)を明確化
  • 業務全体のスピードアップと社員の意識改革

ものづくりへの自信と実績で ビジネスモデル転換に成功

専務取締役 芦田 伊史氏

大阪に本社を置く株式会社東具は、店舗に特化したセールスプロモーションツールの企画・立案を行っている。POPやのぼり、クリップパーツなどのディスプレイ什器を幅広く扱い、カッティングや射出成形などの加工・制作も自社成型工場内で担っているのが最大の特長だ。従来は、大手広告代理店や印刷会社からの請負が売上の大部分を占めていたが、2005年ごろから直接の広告主からの受注を増やす方向へ大幅なビジネスモデルの転換を図ってきた。

「直接取引に踏み切ったことでクライアント企業の要望を直接聞ける点が、大きく変わりました。メーカーの立場として提案できるアドバンテージも活かせます」と専務取締役の芦田伊史氏は朗らかに語る。

そして店舗内販促ツールに求められる要素について、「消費者からすれば『売り場』というより『買い場』です。どうしたら消費者にとって買いやすいか、欲しい商品をすぐに見つけてもらえるかが勝負の分かれ目。消費者が探しているアイテムの中で、クライアントの商品を一瞬のうちにアピールするのが我々の仕事です。消費者は広告を見にくる訳ではないので、POPに目を留めるのはほんの数秒しかありません。我々は"3秒ルール"と呼んでいます」と説明し、その瞬間にいかに効果的にアピールするものを作るかに全力を注いでいるという。

「TVCMなどと比較すれば小さな商売かもしれませんが、クライアントが勝負をかけている商品だと、店舗でのグッズにも力が入ります。我々もクライアントの期待に応えたいという気持ちが強くなります。そういう気持ちで取り組む仕事は、仕事の面白さが違います。ものづくりに対する知識はどこにも負けない自信があります。営業担当も数字を追いかけるだけでなく、企画から携わり、さらに高いクオリティを追求するようになりました。製品に関わるすべてが自分たちの責任という緊張感の中での仕事は、若い社員たちにも大きな達成感を与えています」と芦田氏。

情報伝達のスピードアップを狙い グループウェアの段階的な導入を

芦田氏はビジネス戦略の転換を図ると同時に、社内のIT化にも率先して取り組んできた。「ものづくりの企業というのは、ITに不勉強な部分があり、我が社も例外ではありませんでした。私が東京支店に異動してきたときも、1人1台のPCが行きわたってない状態でした。しかも東京と大阪では情報のスピード感が違ったので、システム化を急ぐ必要性を切実に感じたのです」

そこで東京支店ではまず、全社員分のPCを購入し、回線ネットワークを整備するところから手を付け、さらに4~5年先を見越して、グループウェア導入の検討を始めた。数社の製品を比較討し、統合型グループウェア『eValue NS』を選定した理由を芦田氏は次のように説明する。「システムの自由度は、他社の方が高機能で応用がきいたかもしれませんが、とにかくわかりやすさが重要でした。『あれができます、これができます』というPRが多い中で、『この機能はこうすると使えます』という活用法に惹かれました。これなら社員全員が使えると思ったのです」

そして2008年に文書管理を導入、翌年に企業ポータル、続けて3年目にワークフローというように段階的に進めた。

「導入前は、紙書類や口頭による決裁がほとんど。物品購入や報告を決裁したはずなのに覚えていないとか、言った言わないでもめることもありました。文書管理システムにはハンコを押す形の簡易的な申請承認の機能もあり、承認する側の意識を変えることにも役立ちました。また管理面では報告書などをリアルタイムに確認できる環境づくりが重要でした」と芦田氏。

社員個々人の理解を深める工夫で自立性を重視した活用を促進

2年目の企業ポータル導入の際、芦田氏は社員たちのシステム活用を促すため、営業会議の場を利用したという。

「会議の際にスケジュールに書き込まれていた情報をもとに、営業担当の取引先訪問件数と売上についての分析を行いました。書き込んでいなければ、私の発表するデータに含まれない訳ですから、みんな書き込むようになりますよね。会議上でも営業ターゲットについての情報が思いもよらないところから出てきます。そのとき私が気を遣った点は、上からの監視と思わせないことでした。それぞれが書き込む癖をつけることで自分の行動の問題点を探るセルフチェックのツールとして活用してもらいたいと考えたのです。グループウェアは利用する人間が増えるほど、便利さが深まります。社員たちが自分自身でポータル活用の価値を理解するようになって、さらに書き込まれる情報が増えました」

さらにスケジューラで社員の空き時間を確認した上で、急遽会議をセッティングすることも。「当初は『いきなりですか?』と聞き返されることも多かったのですが、『参加者全員が社内にいる予定で、帰社予定時間から30分以上空けていますけど、何か問題ありますか』と返答していました。みんな反論できません」と芦田氏は笑いながら思い返す。こうした地道な取り組みから、社員たちは日常業務の中で、スケジュールなどの情報を共有する効果を実感していった。

また以前は、大阪本社での細かな決定事項が離れた場所にある支店や物流センターには伝わりにくいという問題もあったが、掲示板機能の利用で解決。大手企業の入札情報や規格品単価の変更などを全国拠点で共有できるようになったこともポータル導入のメリットとして芦田氏は挙げている。

Pマーク取得とワークフロー導入で "会社"として脱皮

同社では、グループウェア導入に先立って、Active Directory導入とプライバシーマーク取得にも取り組んだ。芦田氏は「我が社の業務内容は、一見、個人情報とはあまり関係ないように思われますが、企業の新商品など機密情報を多く扱っています。1人1台のPC環境整備と共にアカウント管理とセキュリティ強化は必須でした」とその背景を語る。

以前の同社では、ものづくりへのこだわりが第一で、会社組織の在り方や、役職の権限には無頓着な部分もあったという。芦田氏も「以前は、この業務は誰が管理するとか、この役職の権限はどこまでとか、あいまいなままで、きちんと整理したことがありませんでした。会社の規定づくりから始め、それぞれの役職の権限を明確にして、漠然としていた経営理念も明文化しました。プライバシーマーク取得とワークフロー導入の準備で、我が社も"会社"として脱皮できたと思います」と職務分掌と責任の範囲を明確にできた成果を話す。

ワークフロー導入は、新規取引申請の決裁までの有効期限を短くし業務スピードを早め、新製品開発申請では保留案件の状況を容易に把握できるようにした。

一連のシステム導入に当たり、同社では一貫して、社員が自ら気づき、自ら行動することを重視してきた。芦田氏は「自ら考え、自ら判断できる人間を作ることが我が社のテーマのひとつです」と語る。ミスやトラブルの軽減以上に、日々の業務スピードアップにつながったことが今回のシステム導入の大きな効果であり、さらに最も大きな成果は、社員一人ひとりの確実な成長といえるだろう。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記事内容は2011年5月現在のものです。

ご購入前の
製品/サービス
お問い合わせContact

企業のDX化や業務効率化に関するお悩みは「株式会社 OSK」へお気軽にご相談ください。

Cookieの利用について

このウェブサイトはクッキーを使用しています。このサイトを使用することにより、サイトの利用条件に同意したことになります。