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落合住宅機器株式会社様

在庫管理の精度と利益率を改善し、災害時の事業継続性も向上

落合住宅機器株式会社様

基幹システム運用による業務ルールの見直しで在庫管理精度と利益率が改善。災害時の事業継続性も向上した、落合住宅機器株式会社様の導入事例をご紹介します。

業種:住宅設備機器卸業
従業員数:14名(2012年5月現在)
事業内容:水道用配管材料および衛生設備材料の販売、住宅用設備機器の販売、空調設備工事、マンション賃貸業

課題業務:

基幹システム運用による業務ルールの見直しで在庫管理精度と利益率が改善 災害時の事業継続性も向上

落合住宅機器株式会社は、水道・空調工事業者などに配管材料・設備機器などを供給している。都心にありながら約6,000アイテムの豊富な在庫をそろえ、現場のニーズに迅速に応える卸会社だ。同社は1999年から 『SMILEαVer.5』 を活用し、業務のルール作りを進めてきた。その結果、在庫管理の精度が飛躍的に向上し、利益率のアップなどの成果につながっている。

導入の狙い
  • 在庫管理のシステム化と精度向上
  • 災害などによるデータ消失の防止
導入効果
  • 倉庫スペースを有効活用して在庫アイテム増強
  • 仕入先への交渉力アップにより、原価が圧縮され利益率が向上
  • 重複入力が省けて業務効率が向上

約6,000アイテムの在庫をそろえ 現場に今日必要な資材を供給

代表取締役社長
落合 智貴氏

東京・渋谷区に本社を構える落合住宅機器株式会社は、水道配管材料・衛生設備機器・空調機器などの資材を扱う卸業者だ。取扱品目は、配管資材全般、上下水回り、空調に関わる設備機器など幅広い。倉庫に常時ストックしている在庫品目は約6,000点に上る。主な得意先は約100社、そのほとんどは住宅建設現場で水道や空調の工事を請け負っている。

同社の創業は1952年で現在、60周年の節目を迎える歴史ある企業だ。最近では2008年のリーマンショックで、業界全体で売上が一気に3割程度ダウン。少しずつ回復してきた矢先に東日本大震災が発生。数カ月間は部品供給が滞り、売上が大幅に落ち込んだが、2011年7月ころから回復傾向にあり、業績も安定してきたという。

3代目代表取締役社長の落合 智貴氏は、「当社のアドバンテージは、都心の立地を活かし、工事現場に今日必要な資材をすぐに供給できることです。そのためには、常に必要な在庫をそろえておく必要がありますが、倉庫のスペースは限られています。適正な在庫数を正確に把握するためにコンピュータシステムが欠かせません」と語る。

同社のITシステムの導入は、業界内においても比較的早く、Windowsが普及する以前の1993年ごろに先代の社長がオフコンベースの会計・給与ソフトを導入したのが始まりだった。しかし、当初は派遣社員が月末などにまとめて入力する体制をとっており、帳票類をリアルタイムに出力するなどの活用はできなかったという。

1995年に入社して先代社長の後を継いだ落合氏は、社員にソフトの操作を教わりながら運用スキルを高め、伝票出力などがリアルタイムに行えるまでになった。その時点で手書き伝票運用をやめて全面的なコンピュータ化に移行。オフコンの2000年問題を前にして、費用対効果の高いPCベースのシステムへの転換を検討し始めた。

在庫管理のシステム化と並行して業務ルールを整備

当時、落合氏はさまざまな展示会に出向き、各社の販売管理システムを見比べた。その中でOSKの『SMILEαVer.5』を見いだし、導入を決断した。「オフコンを更新するよりも導入・運用コストが安いうえ、機能も充実していることが決め手でした」と落合氏は語る。

そして1999年11月にPCを1台導入し、同年12月1日からスタンドアロンでの運用を開始した。PC移行の目的は2000年問題の回避だけでなく、それまで手作業、紙ベースで行われていた在庫管理をシステム化することが大きな狙いだ。

「人手による管理では、在庫アイテムを増やしにくいという問題がありました。新しいアイテムを入れると管理の手間も増えるので、社員はなるべくアイテム数を抑える方に動くのです。しかし、工事現場では必要な資材がないと作業が滞るので、品物を今日中に欲しいというニーズが非常に多くあります。その時に、今から取り寄せて明日届けますと回答したならば、お客様は他社に流れてしまうのです。当社としては、たとえ数年に1個しか出ない商品でも必ず1、2個は保管しておき、在庫アイテムの多さで差別化を図ろうと考えました。そのためには、人手による管理から脱却し、在庫管理の精度を高める必要があったのです」と落合氏は語る。

『SMILEαVer.5』での在庫管理にあたり、同社ではまず、丸1カ月かけて商品マスタを作成。紙ベースの価格表をもとに、商品コードを付けながら商品名と価格を一つずつ入力した。ところが、いざ運用を開始すると、マスタに登録した商品名と社内での呼称が違うなどの問題が発生。それを日々の実運用の中で少しずつ修正を加えていった。

また、各商品の適正在庫数や発注量はどのくらいが妥当かなどの問題も浮上。試行錯誤を繰り返しながらルール作りを進め、徐々に在庫管理や発注の精度を高めていった。

さらに、同社は事務作業を改善するために『SMILEαVer.5』のカスタマイズも実施した。例えば、1回の受注入力で注文請書と仕入先への発注書を同時に印刷できるよう工夫。これにより重複入力の無駄が省け、人的ミスのないスピーディな業務が実現した。また、1箱12個入りなど商品ごとに異なる発注ロット数を、商品マスタに登録・表示させ、適正在庫割れした商品の発注を無駄なく効率的に行う工夫も施している。

システム活用により仕入値圧縮 利益率の大幅アップに成功

同社はシステムを運用する中で業務ルールの整備を並行して行い、随時システムアップも図っている。基幹業務システムは、導入以来2回バージョンアップ。現在は『SMILE BS 販売』を使用している。

10年以上にわたり『SMILE』シリーズを使い続けてきた同社では、在庫管理の精度が飛躍的に向上。その成果は大きかった。

「在庫管理がきちんとできていないときは、動きの少ない商品を大量に発注してしまい、倉庫の棚が無駄に占有されることがありましたが、現在はそうした事態が減りました。適正在庫数は毎月見直して、最近よく売れている商品は在庫数を増やし、売れ行き不調な商品は徐々に減らすなどしています。新しい売れ筋商品が棚に収まらず、棚を増やすこともあります。それでも、その商品は回転率が良いので、過剰在庫にならないのです」と落合氏は語る。売れ行きに応じて適正在庫数を厳密に見直し、さらに倉庫内のレイアウトも機動的に変更することで、限られたスペースの有効活用ができているという。

また、仕入先の一元管理が可能になり、仕入に関する交渉力がアップ。これが仕入原価の圧縮につながった。「以前は、棚に商品がないことに気づいた倉庫の担当者や営業担当者が、めいめいに発注していました。そこで『SMILE』を使って、発注に関する権限を私に一本化したのです。ある仕入先と単価を交渉し、交渉が成立したら、それを商品マスタに登録しておきます。すると、どの社員でも登録された仕入先にその値段で発注することになり、結果的に仕入原価を抑えることができました」と落合氏は語る。

こうした成果は、同社の業績に大きく貢献した。新システム導入以前は約12%だった利益率が、18.3%まで大幅にアップ。また在庫アイテム数も、以前は約4,000点だったが現在は約6,000点と、約1.5倍に増強。顧客のニーズによりスムーズに対応できる体制を整えている。

大切な基幹データを外部データセンターで保全

さらに同社では、2011年3月の東日本大震災発生をきっかけに事業継続の観点からバックアップの重要性を再認識し、同年4月にリモートバックアップサービスを採用。『SMILE BS 販売』のデータを毎日インターネット越しにデータセンターへ複製・保管している。サーバ全体のデータは従来から実施しているテープバックアップも継続しており、二重三重に守りを固めている。

「災害などで万一消失すると最も大きな痛手を被る『SMILE BS 販売』のデータだけは、外部のデータセンターにもバックアップすることで万一の事態に備えています」と落合氏は万全の体制を語った。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記載内容は2012年5月現在のものです。

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