NTTソフトウェア株式会社様
グループウェアを自在にカスタマイズし、全業務プロセスを網羅

NTTソフトウェア株式会社様
柔軟性の高いグループウェアを自在にカスタマイズし、全業務プロセスを網羅するワークフローの構築を可能にした、NTTソフトウェア株式会社様の導入事例をご紹介します。
業種:情報・通信業
従業員数:1,522名(2011年3月31日現在)
事業内容:①ソフトウェアの設計、開発、販売、運用・保守および品質管理
②情報通信ネットワークシステムの設計、開発、建設、管理、運用・保守およびシステム評価
③情報通信ネットワークを利用する各種情報サービスの提供、コンテンツ制作およびそれらサービス提供に必要なシステムの賃貸・販売
④ハードウェアの開発、製造、販売および設置
⑤上記事業にかかわる新技術の調査、その応用開発、コンサルティング、教育および研修
- 課題業務:
柔軟性の高いグループウェアを自在にカスタマイズし、全業務を網羅するワークフローを構築
世界有数の研究機関・NTTグループ各研究所の先端技術をベースにしたICTソリューションを提供し、最新システムの設計や構築、保守・運営に携わるNTTソフトウェア株式会社。グローバル化に伴う日本企業の経営的課題を解消するためICTをどう役立てるべきかという難題に日々取り組んでいる。市場に新しい価値を提案するには、革新的な業務効率化と、その自らの実践が不可欠と考え、社内に混在していたグループウェアを統合し、ワークフローを徹底整備することで、定型業務に掛かる大幅な時間短縮とICTの運用コストの削減を実現した。
- 導入の狙い
-
- グループウェアを統合
- 業務プロセスのスピードアップ
- ICTにあかかる運用コストを削減
- 導入効果
-
- 全社的な定型業務作業時間の圧縮
- ICTランニングコストの削減
- 認証システムや各種データベースとの連携
- 帳票類やワークフロー開発工数の削減
ビジネススタイルを豊かに変えるICTソリューションの提供

ICTシステム部門 担当課長
矢野 力氏
1985年に設立されたNTTソフトウェア株式会社(以下、NTTソフトウェア)は、NTTグループの各研究所などから移籍および出向したメンバー23名でスタートした。設立の目的は、ICT(Information and Communication Technology)ソリューションを世の中に広め、社会貢献を果たすことにある。
東京・品川に本社を構え、横浜市、武蔵野市、横須賀市、名古屋市、大阪市に事業所をもつ。社員数は1,500名を超え、取引先には大手銀行や生命保険会社など国内のそうそうたる企業が並ぶ。
世界有数の技術力を有するNTT研究所が生み出した先端技術をベースに、ICTシステム・インテグレーションの経験を生かし、さまざまなシステムの設計や構築、保守・運営に携わっている。事業分野は、モバイル&ユビキタス・システム(モバイルNW構築/モバイル応用等)事業、光・IP通信システム(IP-NW構築/ブロードバンド応用等)事業、企業活動高度化システム(セキュリティ/基幹業務マネジメント等)事業の三つである。
コーポレートスローガンは"NTT SOFT e-Value Creation"。グローバル化により、経営のスピード化が求められる現在、日本企業には戦略的なICTの活用が必須となっている。最先端の固定通信および移動通信のネットワーク技術をはじめ、クラウドサービスや各種アプリケーションに関する情報系プラットホーム技術までを有するNTTソフトウェアでは、顧客のライフスタイル、ビジネススタイルを豊かに変えていくICTソリューションを提供し、顧客と実際にシステムを利用する人たちに新しい価値を創造していくことを使命としている。
情報系システムを整理し 業務プロセスをワークフロー化

ICTシステム部門
押田 英文氏
NTTソフトウェアは、ISO9001、ISO14001、ISO/IEC27001、プライバシーマークの4認証を取得しており、品質と環境、情報セキュリティの3規格から成る「トータルマネジメントシステム」(TMS)を運用している。TMSのヘッドクオーターとしての役割を担う経営推進本部 経営企画部。同部ICTシステム部門は社内IT管理の基点であり、情報システム部門としての役割を担っている。
"NTT SOFT e-Value Creation"の実現のためには、その担い手である社員の業務が円滑かつスピーディなものでなければならない。そこで経営企画部が業務改善の一環として着目したのは、社内に散在していたグループウェアの統合と、社の実情に即したワークフローシステムの構築だった。
経営企画部 ICTシステム部門の担当課長である矢野 力氏は「当社は部署ごとにそれぞれ固有の業務プロセスがあります。BPR(Business Process Re-engineering)を執行してプロセスを統一するという手段もありますが、かかる時間とコストから考えると効率的とは言えない。ならば、例えば申請・決裁プロセスを必要とする定型業務をすばやく行えて、一つの手段に集約できるツールを作ることで標準化を図ろうと考えたのです」と振り返る。
特に技術職の多い同社は、決裁伺いや経費精算処理などをすべてメールでやり取りする企業文化が根付いていた。しかし、情報量が増えるに従い、社内周知や業務に関する相談、打ち合わせの議事録など、定型・非定型さまざまな情報がメールに入り交じり、日々のメールの仕分け作業が社員の生産性をダウンさせていた。部署によっては独自に紙やグループウェアによって申請・承認を行うところも出てきた。
「承認や確認・通達といった単純なものは、メールから切り離す。そうすれば全社的な生産性は確実に向上すると考えました」と矢野氏は語る。
現場の作業工程をそのままシステム化できる柔軟性

ICTシステム部門 課長代理
渡辺 道広氏
経営企画部は、市場に出回るグループウェア11製品を比較・検討。選定基準は機能面を最重要視した。グループウェアの基本的な機能であるドキュメント管理やスケジュール、ワークフロー(電子決裁)の各種性能評価に加え、それまでスケジュールはA製品、文書管理はB製品などと用途に合わせて複数のグループウェアを利用していたため、これらをオールインワンにまとめられる統合型グループウェアを求めた。
これらの条件を元に、まずは4製品に絞り込んだ。その中にはOSK開発の『eValue NS』が含まれていた。

担当課長 山森 洋一氏
次に、カスタマイズのしやすさとランニングコストに着目。矢野氏は「当社も多くの日本企業と同じく、部署ごとに独自規定や細かいルールが存在します。当時、システム移行のため調査したら、主な帳票類が500ほどありました。それらに厳密に対応できるワークフローを構築するには、パッケージ自体の柔軟性と保守性の高さは選定の大きなポイントでした」と説明する。
矢野氏のもとでグループリーダー的な役割を担った経営企画部 ICTシステム部門 主査の桑名 洋平氏は「ワークフロー業務においては、二重入力やケアレスミスを防ぐために、申請書入力や承認ルート設定には細かい制限を設けたかったのですが、自分たちでもカスタマイズ可能なのは『eValue NS』だけでした」と話す。
例えば、選択された値によって次のフィールドの値を自動的に絞り込むように制御できたり、申請・承認のステージや職権に応じて、入力エリアを制限できたり、『eValue NS』なら実務に即したワークフローが作成できると判断できた。
既存の認証システムや自社ポータルシステムとの連携や操作ログ表示も重要なポイントだった。さらに導入当時NTTソフトウェアは、NTTグループの共通経理システムへの移行段階にあり、その経理システムと『eValue NS』との連携も必須要件だった。
また経営企画部では『eValue NS』導入によるコスト削減効果を事前に算出。大きくは作業効率アップによるコスト削減と、ランニングコスト削減の二つだった。
まずは、『eValue NS』によって経費精算、会議費、決裁文書などの処理専用ワークフローを運用した場合、それによって軽減される社員の平均作業時間に実績件数を乗じた。すると年間およそ2,000万円削減できる計算となった。また、複数のグループウェアを『eValue NS』に統一することで保守費やメンテナンス工数を年間約2,500万円削減できるという結果も得た。
パッケージの基本機能とカスタマイズの柔軟性に秀で、矢野氏曰く「他社の製品を圧倒していた」との評価を得た『eValue NS』は、2010年3月に導入された。
ワークフローは定着 経験を生かした新ビジネスの兆し

ICTシステム部門 主査
桑名 洋平氏
『eValue NS』の導入から丸2年が経過した。その間に得られたメリットとしては、帳票やワークフロー開発工数の削減が挙げられる。
『eValue NS』導入時の調査では、社内の申請プロセスは200近くあった。いくらカスタマイズしやすいとはいえ、すべてを専用フォーマットとして新規開発していたらその後のメンテナンスも含め、極めて非効率である。
そこで専用ワークフローと合わせて汎用型のフォーマットを作成することで、新規ワークフローの開発を抑止。経営企画部 ICTシステム部門 課長代理の押田 英文氏は「従来使っていた帳票を添付して何にでも使える『汎用帳票申請ワークフロー』を作りました。この仕組みで社内申請プロセスの8割方がフォローでき、手間を掛けずに、共通のワークフローに情報を集約できるのは非常に効果が高いです」と説明する。
ちなみに新しい帳票や申請のフォーマットを『eValue NS』で作る場合、フォーマットベースがあり、要件に合わせてカスタマイズするという方法なので、極めて短時間で開発できる。「シンプルなものだったら3日で作れます」と桑名氏は言う。
「ワークフローは稼働後も改良を続けていましたが、だいたい一段落つきました」と押田氏。いくつか新規に開発する予定もあるが、現時点ではほぼすべての業務をカバーできているという。
ワークフローが定着した今、次のステップとして経営企画部は本格的なBPRに取り組もうと考えている。
矢野氏は「業務改善の進め方は二つあると思います。一つは、検討を重ねに重ねて完璧な仕組みを作って社員に提示して『なるほど』と有無を言わせないやり方。もう一つは、まずは仕組みを導入して社員に使ってもらいながら社内のカルチャーを変えようというもの。私たちは後者の『まずは社員に慣れてもらう』という手法を採りました」と振り返る。
さらに現在、同社では『eValue NS』を使った、PC購入申請から設定管理、経理データ計上までをトータルにフォローする「ICTライフサイクルサポートシステム」の提供を始めている。PC購入の際には同時にネットワーク登録やアプリケーション購入の申請が必要だが、それを『eValue NS』の九つのワークフローを組み合わせて構成、端末のセキュリティをコントロールするIT資産管理システムにデータを渡す一連の流れを作り、さらにグループ共通経理システムとの連携を果たしたもの。NTTグループ企業から引き合いの声が上がっており、まずはグループ内にアプローチしていこうと営業部門が動いている。
今後『eValue NS』活用においては、同社開発のシングルサインオン製品との統合や、スマートフォンやタブレット型端末への対応などに取り組む予定だという。NTTソフトウェアの業務改善への意欲は、これからも途切れることはない。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
この記載内容は2012年3月現在のものです。