コヴィディエン グループ ジャパン様
「スムーズな運用」を大前提とした効率的なワークフローを実現

コヴィディエン グループ ジャパン様
システム運用の成功率は96% 「スムーズな運用」を大前提として効率性に優れたワークフローを実現したコヴィディエン グループ ジャパン様の導入事例をご紹介します。
業種:ヘルスケアソリューション
従業員数:1,400名(2012年8月末現在)
事業内容:医療機器、医薬品、医薬品原料などの輸入・製造・販売
https://www.medtronic.com/covidien/ja-jp/index.html
- 課題業務:
システム運用の成功率は96% 「スムーズな運用」を大前提として効率性に優れたワークフローを実現
医療機器、医薬品、メディカルサプライの3つの分野で革新的なヘルスケアソリューションを提供するコヴィディエン グループジャパン。高度な技術力はもちろん、優れた営業力によって快進撃を続けている。業務の効率化、強靭な営業体制を支えるシステムの開発にも余念がない。2006年には『eValue NS ワークフロー』を導入。経費、労務の申請処理が飛躍的に迅速化した。今後は、柔軟なワークフローシステムを、"攻めの営業"に活用することも検討している。
- 導入の狙い
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- 現行システムの処理速度向上
- 不十分なメンテナンス体制の改善
- より業務に即したワークフローの構築
- 導入効果
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- 処理速度が飛躍的に向上。モバイルでもストレスなく使用可能に
- 手入力ミスなどの人為的トラブルがほぼ解消
- カスタマイズ機能を活用し、会社規定やニーズに合ったワークフローを自在に構築
日本の医療現場に革新的なヘルスケアソリューションを提案

本部長 松井 潤氏
コヴィディエン グループ ジャパンは、病院やクリニックなどの医療現場向けに、医療機器、医薬品、メディカルサプライの3つの分野で革新的な製品を提供するヘルスケアソリューショングループだ。同グループを統括するコヴィディエン(本社アイルランド・ダブリン)は、2007年に米タイコグループから分離独立、ヘルスケア部門に特化したグローバルカンパニーへと生まれ変わった。世界60カ国で4万2,000人の社員が活躍し、140カ国に製品を販売。2011年度の売上高は116億ドルに上る。その日本法人であるコヴィディエン グループジャパンは、コヴィディエン ジャパン株式会社、日本シャーウッド株式会社の2つのグループ企業で構成されている。
両社は、外科手術に欠かせない自動縫合器やクリップ、気管チューブ、人工呼吸器、パルスオキシメーターといった呼吸ケア領域において革新的製品を提供し続けている。世界中の最新技術と有能な人材を活用できるグローバルカンパニーとしても、先進的なヘルスケアソリューションを日本の医療現場に提案し続けている。
35名の精鋭がシステムを開発 その運用成功率は96%
革新性に満ちた企業風土こそが、コヴィディエンの躍進の原動力だ。画期的な製品群の開発はもちろん、業務効率を改善するためのシステム開発においても、革新力はいかんなく発揮されている。
コヴィディエン グループ ジャパンのシステム開発を統括する情報サービス本部には35名の精鋭が配置され、グループ会社の各部署から要請されたものや、独自に提案したものなど、さまざまなシステムの設計・開発および運用を行っている。
驚くべきは、そのシステム運用の成功率だ。『日経コンピュータ』(2008年12月1日発行)によると、日本企業(調査対象企業のみ)が導入したシステムの運用成功率は31.1%しかない。コヴィディエンの調査では、同社の運用成功率はなんと96%。開発したほとんどのシステムが有効に活用されている。
柔軟にカスタマイズできる『eValue NS』を最終選択
コヴィディエン ジャパン グループがワークフローの見直しを検討し始めたのは2005年ごろ。
「従来使用していたものは、旧バージョンのOS『Windows NT』に対応しており、承認処理速度も非常に遅く、ユーザからの苦情が絶えませんでした。さらにメンテナンス体制も不十分で、システムそのものを抜本的に見直すことにしました」と情報サービス本部 本部長の松井潤氏は経緯を語る。
情報サービス本部では、手始めに新しいワークフローに必要な機能や動作の条件など、50項目に及ぶスコアカードを作成。その結果をもとに、15製品に及ぶ候補の中から、2つのワークフローに絞り込んだ。最終的に選ばれたのが『eValue NS ワークフロー』だった。選定の決め手について、松井氏は「もう一つのワークフローに比べて、柔軟にカスタマイズができる点を高く評価しました。ソフトウェア開発キット(SDK)があるため、当社の規定や現場のニーズにマッチしたシステムを自分たちで徹底的に作り込むこともできるからです」と語る。印鑑が承認に使える点をはじめ、利用者のニーズを知り尽くした基本機能が充実している点も、『eValue NS ワークフロー』が選ばれた理由だった。
上流をしっかり固めればプロジェクトは成功する
コヴィディエン グループ ジャパンにおける『eValue NS ワークフロー』の導入は、人事・労務管理のワークフロー作りから着手したが、稼働までに9カ月の期間を要している。プログラミングやデータ登録の時間もさることながら、初期段階の要件定義や基本設計にじっくりと時間を費やしたからだ。実はこれが、運用成功率96%の秘密なのである。
同グループでは導入に先立ち、異なる管理形態をとる2社の人事情報を一つのデータベースへと統合している。その上で、データベースと『eValue NS ワークフロー』を連携させ、人事異動や組織変更によるメンテナンス保守業務を効率化した。
「プロジェクトの上流部分をしっかり固めてから、開発に取り掛かることが成功の条件なのです」と松井氏。また、「システム開発においては、機能の向上に主眼が置かれがちですが、もっと大切なのはスムーズな運用が実現されること。そこに失敗すると結局、使えないシステムになってしまいます。当社ではシステム開発費の20%を、運用要件を達成させるために投じています」と松井氏は説明する。
レスポンスが飛躍的に向上 業務効率も大きく改善

申請に関する内規画面にジャンプする
実際の運用状況についても、松井氏をはじめ、同グループの社員たちは非常に満足している。
「既に導入から4年が経過しましたが、1,400名ものグループ社員が『eValue NS ワークフロー』を通じて毎日膨大な申請業務を行っているにもかかわらず、迅速でスムーズな処理が実現しています」と松井氏はいう。
以前使用していたワークフローは、レスポンスがあまりにも悪く、4事業部のうち2事業部では使用されなかった。しかし「『eValue NS』導入を機に、紙による申請は受け付けないルールを定めました。グループ全体のデータ統合を推進するとともに、手入力ミスなどの人為的トラブルを避けるためです」と松井氏は説明する。
『eValue NS ワークフロー』には、申請内容を画面に入力して申請ボタンをクリックした際に、入力ミスがあるとその項目に色がつき、カーソルも移動する機能が標準設定されている。こうした利便性も『eValue NS ワークフロー』を選定した理由の一つだった。
また、柔軟なカスタマイズが可能な『eValue NS ワークフロー』の特性を生かし、同社の経理規定や労務規定に沿ってロジックを組み込んでいるので、それらのルールに合わない申請は自動的に弾かれる。例えば、出張宿泊費の申請を行う際、社内規定の上限を超えた金額を入力すると、入力ミスとして処理されるのだ。おかげで申請の差し戻しが少なくなり、申請内容のチェックの手間も解消された。
『eValue NS ワークフロー』のレスポンスのよさは、グループ社員1,400名の約半数を占める営業職にも好評である。
「外出先からノートパソコンなどで申請を行ってもスピーディに処理されるだけでなく、今までのワークフローと違って、どのような承認経路をたどるのか、現在どの段階までの承認が得られているのかもひと目でわかります。しかもオフライン時でも入力できるので、空いた時間を有効に使えることがありがたいようです」と松井氏は解説する。
同社は今後、『eValue NS ワークフロー』をバックオフィス用途のみならず、"攻めの営業"を支えるフロントオフィス用途にも活用していきたい考えだ。
「現在、『価格設定プロジェクト』(SMAP)という新プロジェクトが進行しています。ひとことで言えば、ボリュームディスカウントの承認を得るためのシステムです。ディスカウント率が高くなればなるほど、上の階層による承認が必要となるわけですが、そのルールを決め、『eValue NS』で仕組みづくりを行いたいと考えています。」と松井氏は期待を込めた。
事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
この記載内容は2012年8月現在のものです。