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株式会社加藤公平商店様

米穀・飼料の販売管理システムを刷新。在庫管理の精度アップ

株式会社加藤公平商店様

在庫管理の精度アップとともに社員の管理意識も改善した、株式会社加藤公平商店様の導入事例をご紹介します。

業種:卸販売業
従業員数:14名(2014年6月現在)
事業内容:米穀集荷と卸販売、家畜の飼料・牧草の販売

https://r.goope.jp/takomachi-385/

課題業務:

米穀・飼料の販売管理システムを刷新 在庫管理の精度アップとともに社員の管理意識が著しく改善する

株式会社加藤公平商店は、千葉名産「多古米」をはじめとする一般消費者向けの米穀や、千葉県と茨城県内の酪農家向けの飼料・牧草などを取り扱う卸販売会社。1957年の会社設立以来、地元農家や酪農家との密接な関わり合いを大切にしながら事業に取り組んできた。早くから業務のシステム化に積極的であった同社は2013年8月、リコージャパン株式会社を通じてOSKの基幹業務システム『SMILE BS2 販売』を導入。きめ細やかな棚卸によって在庫管理の精度が上がっただけでなく、社員の在庫管理意識が著しく改善するなど、思わぬ導入効果が表れた。

導入の狙い
  • システムの継続的運用と万全なサポート体制を確保する
  • リアルタイムな在庫情報の把握
  • 販売管理業務の省力化
導入効果
  • 棚卸頻度が月次から週次に
  • 社員の在庫管理意識が改善
  • 伝票処理が手書きから入力発行に

幻のコメ「多古米」を卸売 地元酪農家向けに飼料販売も

代表取締役 加藤 正義

株式会社加藤公平商店(以下、加藤公平商店)は、千葉県香取郡多古町にある米穀および飼料・牧草の卸販売会社である。

地元のブランド米である「多古米」を生産農家から直接集荷し、スーパーなどの小売業に卸しているほか、自社のオンラインショップなどを通じて一般消費者にも販売。また、飼料・牧草は米国やオーストラリアから仕入れたものを地元の酪農家に販売している。

会社設立は1957年。当初は飼料・牧草販売専業だったが、地元の酪農家には稲作や畑作との兼業が多く、1995年に食糧管理制度が廃止され、米穀販売が登録制から届出制になったことを受けて、地元農家から米穀を集荷し、卸売する事業も始めた。

千葉県北部の北総台地に位置する多古町は、魚介類などが大量に堆積し、アミノ酸やミネラルが豊富な良質の土壌に恵まれている。そこで育った「多古米」は、江戸時代に徳川将軍に献上された歴史もあるほど味がよく、「おかずいらずの多古米」とも呼ばれている。

しかし、収穫量が非常に少ない「幻の米」でもあり、「一度は食べてみたい」という注文が、千葉県内だけでなく全国から寄せられているようだ。「私どもは地元の優良農家から、食味Aランクの『多古米』を中心に直接買い付けています。契約農家は約100戸に厳選し、『顔の見える農家』がつくったお米を提供することにこだわっています」と語るのは、同社の2代目で代表取締役の加藤 正義氏。

同社では、毎年秋に収穫される「多古米」を、集荷と同時に低温倉庫に貯蔵。含有する水分を失ってコメのうまさが損なわれないように、1年中、一定の温度、湿度のもとで厳重管理している。こうした努力によって、注文があれば、いつでもおいしい「多古米」を提供できる体制を整えているのだ。

また、酪農家に販売する牧草は、その大半を米国やオーストラリアから輸入しているが、収穫期には加藤氏自ら現地に出向いて買い付けを行っている。

「得意先の酪農家のニーズに合わせて、一軒一軒ごとに牧草を選んでいます。酪農家によって牛の育て方は異なるし、牛自身にも味の好みがありますからね。まったく同じ牧草をまとめて仕入れるわけにはいきません」と加藤氏。そうした気配りがあるからこそ、同社は50年以上にわたって地元酪農家に選ばれ続けてきたのだろう。

あまり知られていないが、千葉県は日本の酪農業の発祥地。かつては北海道に次いで全国2位の規模を誇ったほど酪農業が盛んであった。

現在、高齢化などが原因で酪農家は減り続けているが、「一方で、若い人たちを中心に、大規模な酪農経営に取り組む動きも少しずつ広がっています。そうした意欲ある人々のために、われわれも頑張って飼料や牧草を提供し続けたいですね」と加藤氏は目を細める。

もうひとつの事業の柱である米穀の卸売も、食生活の変化によるコメ消費量の減少など逆風が吹いているが、「全体の消費量が減っても、希少価値があって、おいしいコメへの需要はむしろ拡大し続けるはず。契約農家の方々と一緒に、これからも頑張っていいコメを作り続けます」(加藤氏)。

「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受けて、今後、「多古米」の販路は海外へも広がりそうだ。

実は3年ほど前に輸出を試みたが、原発事故の風評被害によって挫折した経験がある。しかし加藤氏は、「機会があればぜひ、もう一度チャレンジしてみたいですね」と意気軒昂だ。

改善不能な旧システムを OSKの最新鋭システムに刷新

リコージャパン株式会社
千葉支店 第一営業部
成田営業所 アシスタント
マネージャー 溝口 勝憲氏

加藤公平商店では、在庫管理などの業務合理化のために、早くからシステムを活用していた。

しかし、使用していたシステムを開発したソフトウェア会社が倒産。その後のサポートを開発会社の知り合いに依頼したものの、決して万全な体制とは言えず、将来に向けてシステムを改善していくのも不可能となった。

また2014年4月からの消費税増税や、端末のOSとして使用していたWindows XPのサポート期限終了などへの対応を迫られたこともあり、加藤氏は新システムの導入を決意する。

「そこで、以前から複合機で取引のあったリコージャパンさんに相談したところ、OSKさんの最新システムに入れ替える提案を受けたのです」(加藤氏)

同社が導入したのは、OSKの最新鋭基幹業務システム『SMILE BS2 販売』シリーズだった。

米穀と飼料は、それぞれ仕入れ先、販売先がまったく異なる。そのため従来のシステムは米穀用、飼料用と別々に運用していた。『SMILE BS2 販売』シリーズへの切り替えにおいても、同様に2台を導入した。

さらに、「牧草を仕入れ単位(コンテナ単位)で在庫管理したいというご要望にお応えして、『ロット管理オプション』を付加することも提案しました」と説明するのは、導入を支援したリコージャパン株式会社 千葉支店 第一営業部 成田営業所 アシスタントマネージャーの溝口 勝憲氏。

切り替えにあたって、得意先マスターなどのデータ移行に約1カ月を要したほか、旧システムとの並行稼働中は事務職の入力業務の負担が一時的に増したが、「大きな混乱もなく、比較的スムーズに移行を実現できました」(加藤氏)。

こうして、2013年8月の導入契約から2~3カ月後には飼料用システムが、同年末には米穀用システムが、それぞれ本稼働した。

精米による「亡失」が設定可能に 在庫管理の精度も上げる

米穀用システムの導入に当たって、同社はOSKに対し、売上処理時に精米による「亡失量」が設定できるようカスタマイズを依頼した。

以前のシステムにも組み込まれていたこの仕組みは、同社のような米穀卸販売会社の仕入れ・販売管理には不可欠のものであると、加藤氏は説明する。

「私どもの場合、仕入れは玄米ですが、販売するときは一部を除いて白米に精米するため、仕入時に比べて重量が約88~90%に減ってしまいます。これが『亡失』です。売上処理時に亡失量をあらかじめ設定しておけば、精米による目減りを加味したうえで玄米の使用量を計算できるので、販売管理はもちろん、在庫管理をするうえでも欠かせない仕組みなのです」

このほか、『SMILE BS2 販売』の導入によって、これまでは一部手書きで発行していた伝票類が、すべて入力処理で済むようになったことも画期的であった。

「手書きの手間が省けたうえに、以前のシステムに比べて入力や検索もしやすくなったと社内で好評です。おかげで事務の業務効率が格段にアップしました」と加藤氏は満足そうに語る。

そして、加藤氏が特に『SMILE BS2 販売』の導入効果を実感したのは、在庫管理の精度が上がったことだ。

「以前は、システムの在庫情報と実在庫の突き合わせが非常に困難で、半年、1年経つと数字が大幅に違っていました。これは大きな問題です。なぜなら、在庫がきちんと管理できていないと、別ルートに米を横流ししているのではといった、あらぬ疑いを持たれても仕方ないからです」(加藤氏)

信頼を維持するためには、何としても在庫管理の精度を上げなければならない。これは加藤公平商店にとって、まさに死活問題であった。

しかし、『SMILE BS2 販売』の導入によって、問題は一気に解決した。

「入出庫状況がリアルタイムに更新されるので、以前は月次で行っていた棚卸が週次で行えるようになりました。その結果、データと実在庫の食い違いを速やかに発見し、迅速に対処できるようになったのです」(加藤氏)

管理がしやすくなったことをきっかけに、社員の在庫管理に対する意識も以前と比べて著しく向上した。

「実は、この社員の意識変化が何よりも大きな効果でした」と加藤氏は語る。『SMILE BS2 販売』による業務の仕組みの変化が、マインドの変化という化学反応を引き起こしたのである。

飼料はロット単位で管理 ロットトレース機能も

株式会社OSK ソリューション本部
システムカスタマイズ課
アプリケーションエンジニア
樋口 剛

もう一方の飼料用システムについても、在庫管理の徹底を念頭に構築したことは言うまでもない。

先ほども述べたように、加藤公平商店は牧草を仕入れ単位(コンテナ単位)で管理するため、『SMILE BS2 販売』に『ロット管理オプション』を組み入れた。

牧草は同じ産地、品種、品質であってもコンテナ単位ごとに重量などが微妙に異なる。そのため、一括管理ではなくコンテナ単位ごとのロット管理が求められるのだ。

「ロット管理にすれば、ロットごとのトレース(履歴追跡)も可能となります。万が一、商品に何らかの問題が生じたときは、産地にさかのぼるトレースバックや、納品先を追跡するトレースフォワードによって迅速な対応が図れるのです」と説明するのは、システム構築に携わった株式会社OSKソリューション本部システムカスタマイズ課アプリケーションエンジニアの樋口 剛。

もちろんこのロットトレースの仕組みは、飼料用システムだけでなく、米穀用システムにも組み込まれている。「多古米」のうまさと安全性を保証するためには、欠かすことのできないシステムだからだ。

加藤公平商店は、今後もシステムの活用を通じて、さらなる在庫管理の精度向上、トレーサビリティの改善、業務効率化などを推し進めていく考えだ。「顧客満足やお客様からの信頼を高めるためにも、システムの徹底活用は不可欠」だと加藤氏は考えている。

また、現状のシステムに満足することなく、よりよいシステムに改善していくことにも意欲的である。

「例えば、取引先の農家や得意先の酪農家では高齢化が進んでおり、『SMILE BS2 販売』から出力される納品書や請求書は『文字が小さくて読みにくい』といった声もあります。ささいなことに思えるかもしれませんが、そうした声を真摯に受け止めて改善を図っていきたいですね」(加藤氏)

最後にリコージャパンやOSKに対しては、「同業他社の事例も含めて、今後もシステムの活用や改善に役立つ情報を積極的に提供していただきたいですね」(加藤氏)と期待を込めて語った。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記載内容は2014年7月現在のものです。

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