知って得する! 電子帳簿保存法 スキャナ保存編

※本ページ記載の内容は、2021年4月時点での情報です。

前回は「国税関係帳簿の電子データ保存」中心に電子帳簿保存法についてご説明しました。

今回は「国税関係書類のスキャナ保存」について見てみましょう。

スキャナ保存対象範囲

スキャナ保存制度とは

法令により義務付けられている紙での保存等に要する負担軽減のため、真実性・可視性を確保できる要件下で、スキャナを利用して作成された電磁的記録による保存が認められています。

定められた要件のもと電磁的記録を保存していれば、紙の書類は破棄することができます。

過去分の紙の書類についても、適用届出書の提出など一定の要件下でスキャナ保存が可能になります。

スキャナ保存を始めるには

スキャナ保存を始めるには、大きく分けて「対象書類・システムの選定」「体制整備・規程作成」「税務署への申請」という3つのステップがあります。

書類を電子化することによって得られるメリットが、自社の抱える課題の解決・軽減につながるかを考え、導入を検討しましょう。

1. 対象書類・システムの選定

「取引に関して相手方から紙で受け取った取引書類」及び「自己が作成した取引書類の写し」が対象で、重要書類と一般書類の2つに区分されています。区分によって、書類の保存要件が異なるため、スキャナ保存対象書類を選定するときには注意が必要です。

選定した書類のみスキャナ保存も可能なので、まずはどの書類を電子化するのかを検討しましょう。

対象書類
重要書類と一般書類
スキャナ保存を行うためのシステム的な要件

「国税関係書類」をスキャナ保存するシステムを選ぶ際には、以下のような要件を満たしているものを選定する必要があります。

要件内容
真実性の確保 タイムスタンプの付与 一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを付与すること
タイムスタンプの一括検証 課税期間中の任意の期間を指定し、当該期間内に付したタイムスタンプについて、一括して検証することができること
ファイル情報を保存 画像ファイルの解像度及び階調に関する情報と書類の大きさ情報
訂正・削除履歴の確認 電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認できること
帳簿との関連付けの確認 関連する国税関係帳簿のとの間において、相互にその関連性を確認すること
関連書類の備え付け 電子計算機処理システムの操作説明書の備え付け
可視性確保 見読可能性 記録事項を速やかに、ディスプレイ及びプリンタ等に整然とした形式及び明瞭な状態で出力できること
検索機能 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項の検索をすることができること

スキャナ保存をする際の保存要件は、国税庁のホームページでご確認ください。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07scan/02.htm#a012

JIIMA「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」制度

電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証制度とは、スキャナ保存を行う市販ソフトウェアが電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満足していると判断したものを認証するものです。

本認証を受けたソフトウェアを利用することで、企業は経理業務の電子化を安心して進めやすくなります。

Check Point

2022年(令和4年)以降は、承認申請が不要となります。これにより税務署での審査が行われなくなるため(後述の「今、改めて注目を集める理由」参照)、スキャナ保存ソフトの法的要件を満たしたソフトウェアを利用し、正しく運用することが求められます。

JIIMA認証取得 文書管理ソフト

JIIMAの「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」を取得したシステムのリストが、国税庁ホームページに掲載されています。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/pdf/JIIMA_list_2.pdf

OSKの『eValue V』は、電帳法スキャナ保存ソフトウエアの法的要件を満たしたソフトウェアとして、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)より認証を受けています。

eValue V ドキュメント管理はこちら

2. 体制整備・規程作成

スキャナ保存をはじめる場合、今までの業務フローを変更する必要が出てきます。

現時点では、スキャナ保存前の書類の改ざん防止の観点から、下記3つの事項を満たした「適正事務処理要件」を整備し、その規程に沿ったフローで業務を実施することが求められています。

1、相互牽制
相互に関連する各事務について、それぞれ別のものが行う体制
2、定期的なチェック
各事務に係る処理の内容を確認するための定期的な検査を行う体制および手続
3、再発防止策
各事務に係る処理に不備があると認められた場合において、その報告、原因究明および改善のための方策を検討する体制

国税庁ホームページに掲載されている「適正事務処理規程」のサンプルを参考に、業務フローおよび規程を整備しましょう。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07scan/02.htm#a046

3. 税務署への申請

現時点では、スキャナ保存を始める3か月前までに税務署へ申請する必要があります。たとえば9月1日から始める場合は、5月31日までに申請することになります。

後述のとおり、2022年(令和4年)以降は、承認申請が不要となります。

JIIMA認証を受けたシステムを利用する場合、承認申請書は『国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書(市販のソフトウェアのうちJIIMAの認証を受けているもの)』を使用して申請します。通常のものより、記載事項や添付書類を一部省略することが可能です。

詳しい要件や申請方法については、国税庁ホームページをご確認ください。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm

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