物流業界の2024年問題

※本ページは2021年12月時点のものです。

物流業界の2024年問題

⻑時間労働の是正により、ワーク・ライフ・バランスが改善することを目的として労働基準法が改正され、2019年4月から大企業で、2020年4月から中小企業で時間外労働の上限規制が施行されました。

人手不足や長距離輸送などにより長時間勤務が常態化している自動車運転業務には5年間の猶予期間が設けられていました

2023年4月から「時間外労働の割増賃金引上げ」が、2024年4月から「労働時間の上限規制」と「同一労働同一賃金」がはじまります。 2024年までに労働環境改善のために様々なアクションを取る必要があり、これを物流業界の2024年問題といいます。

1.労働時間の上限規制

自動車運転業務(以下、ドライバー)は今までは改善基準告示による拘束時間等の上限が定められていましたが、2024年4月以降は特別条項付き36協定に上限が設けられ、それを超えると罰則の対象となります。

ドライバー以外の運行管理者、事務職、整備・技能職、倉庫作業職等は一般則が適用され、大企業では2019年、中小企業では2020年から適用されています。

ドライバー
原則
  • 1日8時間、1週間40時間
  • 36協定を結んだ場合、協定で定めた時間まで時間外労働可能
  • 災害復旧や大雪時の除雪など、避けることができない事由により臨時の必要がある場合には、労働時間の延長が可能(労基法33条)
36協定の限度
  • 年960時間、月平均80時間(休日労働を含まない)
    ※1月あたりの残業時間が45時間を超えるのは1年につき6ヶ月までの規制はなし
    ※月100時間未満、2~6ヶ月の平均80時間以内の規制はなし
ドライバーの労働時間の上限規制イメージ
ドライバー以外
原則
  • 1日8時間、1週間40時間
  • 36協定を結んだ場合、協定で定めた時間まで時間外労働可能
  • 災害復旧や大雪時の除雪など、避けることができない事由により臨時の必要がある場合には、労働時間の延長が可能(労基法33条)
36協定の限度
  • 原則月45時間かつ年360時間
  • 特別条項がある場合
    1. 年720時間(休日労働を含まない)
    2. 一時的に事務量が増加する場合にも上回ることのできない上限を設定
      1. 2~6ヶ月の平均がいずれも80時間以内(休日労働を含む)
      2. 単月100時間未満(休日労働を含む)
      3. 原則(月45時間)を上回る月は年6回を上限(休日労働を含まない)
ドライバー以外の労働時間の上限規制イメージ
罰則

企業が上限規制を遵守せず時間外労働をさせた場合、6ヶ月以下の懲役または30万以下の罰金が科せられるおそれがあります。

2.同一労働同一賃金

2021年4月から、中小企業でも同一労働同一賃金が適用されています。同一労働同一賃金とは、正社員と非正規社員(パートタイム労働者、契約社員等)といった雇用形態に関係なく、同じ職場で同じ仕事内容に従事している従業員に対して、同一の賃金を支払うという考え方です。

2024年4月からはドライバーも、正社員と非正規社員との間で、待遇差が出ないようにする必要があります。

3.時間外労働の割増賃金率の引き上げ

2023年4月から、業種に関係なく中小企業でも月60時間以上の時間外労働への割増賃金が25%から50%へ引き上げられます。

長時間労働によるコスト増が考えられますので、こちらについてもあわせて対策が必要です。

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