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株式会社ティアンドエス様

パッケージを社内でカスタマイズし、煩雑な手作業を次々と自動化

株式会社ティアンドエス様

『SMILE BS 販売』と、『eValue NS』を新たに導入し、統合的なシステム連携を図ることで、業務のスピードを加速させた株式会社ティアンドエス様の導入事例をご紹介します。

業種:レーザー加工・金属加工業
従業員数:67名(2014年3月現在)
事業内容:機械部品、建築金物、看板などのレーザ加工・曲げ加工・溶接加工・組立加工、その他板金加工全般

https://www.tands.co.jp/

課題業務:

パッケージを社内でカスタマイズし煩雑な手作業を次々と自動化 超短納期での板金加工ビジネスを確立

株式会社ティアンドエスは、機械部品や建築金物、看板などのレーザ加工をはじめ、曲げ加工・溶接加工・組立加工などの業務を全国規模で展開。個別仕様の部品加工を、超短納期・高精度・低コストで提供することで顧客の信頼を勝ち得ている。同社では、そのスピードある業務を支えるIT基盤として、『SMILE』シリーズのカスタマイズを強力に支援する『SMILE BS Custom AP Builder』と統合型グループウェア『eValue NS』をフル活用。従来の手作業による煩雑な業務を自動化するなど、さまざまな創意工夫で確たるビジネスモデルを確立している。

導入の狙い
  • 超短納期を支えるIT基盤の整備
  • 受注量の増加に伴う業務上の課題解消
導入効果
  • 手作業による業務負担やミスの軽減
  • 煩雑な業務の自動化で残業代を削減
  • ドキュメントの検索速度が格段にアップ
  • ワークフローによる業務ルールの定着

個別仕様の製品を超短納期で製造 あらゆるメーカーのニーズに応える

取締役副社長 澤口 輝氏

株式会社ティアンドエスは埼玉県草加市に本社を構え、レーザ加工を中心に曲げ加工や溶接加工などに幅広く対応している総合板金加工企業だ。1990年の創業以来、「超短納期、高精度、低コスト」をモノづくりのモットーに掲げ、東日本を中心に全国規模で事業を展開。取引先は4000社にも上る。とりわけ、最大の特徴は、受注全体の95%が一品一様の個別仕様であるにもかかわらず、「超短納期」を実現していることだ。見積り回答から材料手配、各工程による製造、顧客先への納品まで迅速かつ丁寧なサービスを心がけ、わずか半日から3日程度で一貫して対応できる業務基盤を確立している。

例えば、中小のメーカーが現場で部品が足りないことに気づいて、慌てて相談してくることもある。急ぎの案件を抱えるメーカーにとっては、このうえなく頼もしいパートナーといえる。一方、大手のメーカーは、自社工場で量産する前工程の試作品の製造を依頼してくるケースが多く、同社はたとえ1個の試作品でも全力で取り組む。その顧客本位のスピード対応が多くのメーカーのニーズと合致し、業界内で確固たる地位を確立。ここ数年は、特にレーザ加工の後工程の仕事が増加し、業績を堅調に伸ばしている。

「オーダーメイドの個別受注が中心で、量産品はほとんどありません。量産品は価格競争に陥りがちですが、当社のお客様は納期優先なので価格を落とさずにすみます。この点が同業他社と一線を画する大きな強みです」と専務取締役の有野 誉氏は語る。

だが、顧客の細かな要望に柔軟に対応しながら「超短納期」を貫き通すことは決して容易ではない。そのスピードある業務を支えているのが、最新鋭の設備機械と最先端のITシステムである。特にITシステムは、日常業務を滞りなく進めるうえで必要不可欠であり、その最適な仕組みをいかに構築して運用していくかが長年の課題だった。しかし、ここ数年の間に、社内のIT化が急速に進展している。

「当社のITシステムは年々質を高めています。業務効率が向上したことで、従業員たちの仕事も楽になり、システムを積極的に活用する意識が着実に高まってきました」と取締役副社長の澤口 輝氏は語る。

拡張性に優れた新システムで業務量の増加による課題を解消

かつて、同社は基幹業務システムをオーダーメイドで構築して運用していた。ところが、事業規模の拡大に伴う業務量の増加により、従来のシステムだけではスピーディに対処できなくなり、いくつかの課題に直面していた。

その一つは、1日に処理する案件数が非常に多いことだ。多い日には200件ほどの受注があり、見積り依頼だけで100件を超えることもある。しかも、そのほとんどが急ぎの案件なので、従業員は日々仕事に追われている状態だった。

例えば、翌日納期の加工部品の価格はその日に決めておかなければならない。そのため、営業担当者は実業務が終わった後に数百種類にも上る加工部品のサイズなどを1点ずつ確認しながら、電卓を使って手計算で価格設定を行っていた。

また、発注書、図面、作業指示書、加工図、CADデータなど、管理すべきドキュメントの数が非常に多い。しかも、新規案件を受注するたびに増え続ける一方だった。その膨大な量のドキュメントを紙ベースで管理するのは限界がある。そこで、数年前に紙文書をスキャンしてファイルサーバで管理する仕組みを構築した。ところが、ファイル数は日々100件単位で増加するため、受注ナンバーで検索しても呼び出すまでに非常に時間がかかっていた。そのため、問い合わせ時や打ち合わせ時に顧客を待たせることが増え、スピーディな顧客対応を行ううえで支障を来すようになった。

同社は、こうした諸課題を解消するために、新システムの導入を検討。その際、手作業が多いとミスが生じがちな日常的な業務をできる限りシステム化し、人的ミスの発生リスクを軽減させ、同時に生産性を高めることが重要なテーマだった。

また、製造業向けの生産管理システムではなく、当初からパッケージの販売管理システムをカスタマイズして活用することを念頭に置いていた。その理由は、一般的に生産管理システムは1ヵ月以上の長期間の工程管理を前提にしているため、同社のような超短納期の業務形態には適していないからだ。むしろ、企業全体の業務の流れを一元的に管理できる販売管理システムを導入し、その標準機能では補えない部分をカスタマイズして機能追加した方が、日々の業務をスムーズに運用できるようになると考えたのだ。

その後、数十社のITベンダーの販売管理システムを比較検討し、最終的にOSKの基幹業務システム『SMILE BS 販売・会計・人事給与・CTI』を選定。さらに、そのカスタマイズを強力に支援する高生産ツール『SMILE BS CAB』(以下、『SMILE CAB』)と統合型グループウェア『eValue NS』をあわせて導入するにいたった。

このうち、『SMILE BS』シリーズはパッケージの基本機能が充実しており、なおかつ拡張性に優れている点を高く評価。特に『SMILE BS CAB』を利用することで、ユーザ側でも比較的容易にカスタマイズが行える点が大きな決め手になった。一方、『eValue NS』は開発元が同じOSKなので、『SMILE BS』シリーズとシームレスに連携が取れることや、ドキュメント管理のみならず、ワークフローなどの機能が充実していることが主な選定理由だった。

手作業による煩雑な業務を『SMILE BS CAB』で自動化

専務取締役 有野 誉氏

同社のシステム活用の特徴は、基本的な業務はパッケージシステムの機能を有効活用しつつ、パッケージの標準機能を補完する形で、『SMILE BS CAB』を使って随時機能強化を図っている点だ。また、70名弱という規模にも関わらず、社内に情報システム部門を設置。実際にシステムを利用している従業員たちの要望を日々吸い上げながら、常に改善策を施している。こうした本腰を入れたIT化の取り組みが、同社のスピードある業務を支えているのだ。

「外部にカスタマイズを依頼すると、ユーザサイドの要望が十分に伝わらない部分がどうしても出てきます。しかし、社内の業務を熟知している人が開発すれば、自社業務にマッチしたより良いシステムを作り上げることができます。『SMILE BS CAB』の導入でそれが容易に行えるようになったことが、当社のシステム化が成功した要因の一つです」と有野氏は語る。

情報システム課 情報システムG
係長 出口 克彦氏

そのシステム開発を担当しているのが、情報システム課 情報システムG 係長の出口 克彦氏だ。『SMILE BS』シリーズの自由帳票設計ツールで作成できるものは自由帳票を活用し、逆にそれで作成できないものは『SMILE BS CAB』を活用するという切り分けを上手に行っている。

「実際に『SMILE BS CAB』を使いこなすためには、データベースの基本的な知識は必須ですが、プログラム言語がわからなくても利用できるので大変便利です」と出口氏は語る。

SMILE BS CAB』による業務のシステム化のため、出口氏が作成した機能は優に300を超えている。新たに追加した機能は、パッケージのメニューと一体化しているので、ユーザは操作に戸惑うことなく使えるように配慮されている。

その一例が、銀行入金照合リスト(入金消し込み業務)だ。銀行の入金履歴CSVデータをデータベースに取り込み、それを得意先マスタと照合させることで、取引先から振り込まれた入金の消し込み業務を自動的に行えるようにしたのである。「取引先が多いと、全く別の会社なのに社名が同じ場合があります。その場合でも入金された取引先が特定できるように、きめ細やかな工夫を施しています」と出口氏は語る。

以前は、月末になると約600社分の入金消し込み作業をすべて手作業で行っていた。それが自動化されたことで、残業時間が飛躍的に削減されるなど大きな成果をもたらしている。

もう一つの例は、部品価格計算処理。受注した部品の定価計算を自動的に行える便利な機能だ。従来、部品の価格設定は、営業担当者が一つずつ手計算で行っていたので、業務上の大きな負担になっていた。出口氏はそれを自動化したいと長年切望していた。今回、『SMILE BS CAB』の導入に踏み切ったのも、それが実現できるようになると確信したからだ。

具体的には、各部品を設計したCADデータからサイズや面積などを計測できる機能をCADに実装。その結果をバッチ処理でデータベースに取り込み、それをもとに各部品の標準価格を算出して納品書に自動表示される仕組みを構築した。これにより、数百種類の部品の価格設定がワンクリックで行えるようになり、営業担当者は日々の煩雑な作業から解放されたのである。

また、『SMILE CAB』を用いて見積り管理システムも新たに作成した。見積時に標準金額を自動的に表示させたり、見積書の作成漏れをチェックしたりする機能を実装し、見積り管理業務の効率化に大きく寄与している。

ワークフローによる業務が定着 IT活用の第2ステージへ進展

同社では、統合型グループウェア『eValue NS』の活用も同時並行で進展している。例えば、ドキュメント管理では、別システムで電子化したファイルを『eValue NS』に取り込むことでスムーズな運用を実現。検索スピードが格段にアップし、PC画面から必要な情報を瞬時に取り出せるようになった。また、ワークフローの活用により、総務系の各種申請業務をはじめ、請求額の訂正などを行う際に必ず上長の承認を得るなど、社内業務のルールが定着。購買業務では、調達する商品の種類に応じて承認ルートを変更するといった工夫も行っている。

eValue NS』の集計機能も有効利用している。1ヵ月の不良品の数を集計することで、月単位で不良品がどれだけ発生したのか可視化し、部品の種類や金額などを詳細に把握できるようにした。同社では、その原因を究明して改善策を施すことで品質向上に役立てている。

さらに、『eValue NS』のプロジェクトタスク管理機能を用いて、社内プロジェクトの進捗状況の見える化も行っている。例えば、社内システムを入れ替える際に、関連する各部門長がそれぞれのタスクや進捗状況を入力することで、社内で共有できる環境を整えている。

eValue NS』のポータル画面上に表示される掲示板も幅広い用途で活用中だ。例えば、顧客から担当者に電話がかかってきた際に、その担当者が会社にいるのか外出しているのか、掲示板を見ればすぐにわかるような取り組みを行っている。

「今回、基幹系と情報系を合わせ、使いやすい共通のインターフェースですべての業務が行えるようになったことが一番大きなメリットです。一つのシステムの操作を教えれば、ほかのシステムもすぐに使いこなせるようになるので、操作説明の手間も省けますし、社員同士も教え合ったりしています。今後は『SMILE CAB』の『eValue NS』連携機能を利用し、『SMILE BS 販売』から関連ドキュメントへよりすばやくアプローチするなど、全社的なシステムの連携をさらに強化していきたいと思います」と出口氏は語る。

すでに基幹系・情報系ともにIT化の第1ステージをクリア。今後はIT活用の第2ステージに入る。具体的には、約4000社の顧客データをさまざまな角度から分析することで今後の営業活動に生かしていく。ドキュメントの数が増えると管理が煩雑化してしまうので、営業部門と生産部門で管理するものを切り分けて運用することも検討中だ。また、『SMILE BS CTI』の活用促進による電話応対業務の効率化にも大きな期待を寄せている。

事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものであり、配付される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

この記載内容は2014年4月現在のものです。

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