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生産管理システムの品質管理機能とは?不良率改善に活かす方法と選定ポイント

ITソリューション解説

最終更新日:2026/08/20

生産管理システムで品質管理を効率化したい一方、検査記録や不良情報、ロット情報をどこまで管理できるのか不安に感じる方もいるでしょう。

品質保証・品質管理部門では、記録の分散や判定基準のばらつきを防ぎ、不良の発生元を迅速に追跡できる体制が求められます。そのため、生産管理システムを活用した一元管理が有効です。

本記事では、生産管理システムの品質管理機能の役割や管理できる項目、不良率改善への活用方法などを解説します。自社の品質管理業務に適した生産管理システムを検討する際の参考にしてください。

この記事でわかること

  • 生産管理システムで行える品質管理の主な項目
  • 生産管理システムを選ぶときの確認ポイント
  • 品質管理を改善する際の注意点3つ

生産管理システムにおける品質管理の位置づけ

生産管理システムにおける品質管理の位置づけ

生産管理は、生産計画から資材調達や出荷など、ものづくり全体の流れを管理する業務です。一連の流れの中で品質管理は、検査記録や不良情報を製造工程と紐づけて管理する役割を担います。

工程ごとの検査結果を記録し、規格を満たした製品だけが次の工程や出荷先へ進める仕組みです。品質管理では、以下のような情報を生産管理の各業務と関連付けて管理します。

  • 検査結果とロット番号の紐づけ
  • 不良発生工程と原因の記録
  • 製品ごとの規格適合判定

生産管理システムの中に品質管理機能を組み込むことで、製造から出荷までの品質情報を一つの流れとして管理できる体制につながります。

品質管理業務が円滑に進まない要因

品質管理業務が円滑に進まない要因

品質管理の現場では、記録方法や判断基準が担当者ごとに異なると、さまざまな課題が生じます。品質管理に影響を与える3つの要因を見ていきましょう。

検査結果の記録が分散している

検査結果を紙やExcelなど複数の形式で管理している現場は多く見られます。検査担当者や工程ごとに記録方法が異なると、必要な検査データがどこにあるか探す手間が発生します。

紙の検査表やExcelファイルなど、工程ごとに記録先が異なると、不良発生時には原因を特定するために複数のデータを集めて照合しなければなりません。

検査結果を一元管理できる仕組みを整えることで、原因調査の効率化や迅速な品質改善につながります。

不良の区分・判定基準が統一されていない

不良の区分や合否の判定基準は、担当者の経験や感覚に依存している場合があります。同じような傷や寸法のずれでも、担当者によって合格・不合格の判断が分かれるケースもあるでしょう。

判定基準が統一されていないと、記録として残る不良データの信頼性が低下します。この状態では、不良の傾向を正確に把握できません。

その結果、改善すべき工程や不良原因の分析に時間を要し、品質改善のスピードが低下するおそれがあります。

不良の発生元を製造履歴からたどれない

検査結果の記録が分散し、判定基準も統一されていない状態では、品質情報と製造履歴を結びつけることが難しくなります。不良品が見つかっても、どこのロットや工程で発生したのかをすぐに特定できません。

発生元をたどれない状態が続くと、同じ原因による不良が繰り返し発生するリスクも高まります。また、製造履歴から原因を特定できなければ、適切な再発防止策を立てることは難しいでしょう。

生産管理システムで品質管理業務をどのように支援できるか

生産管理システムで品質管理業務をどのように支援できるか

生産管理システムには、品質管理業務を支える機能がいくつか備わっています。ここでは代表的な5つの支援内容をご紹介します。

検査結果をシステム上に集約できる

検査結果は、紙の検査表やExcelファイルではなく、システム上で一元管理することが可能です。担当者や工程が違っても、同じ画面・同じ項目で入力する形になります。

例えば、製品番号やロット番号ごとに検査結果を一元管理できるため、複数のラインの情報も1つの画面で確認が可能になり、紙の検査表やExcelファイルを探す必要がなります。また、検査データを一元管理すれば、不良の種類ごとの集計や傾向分析を行いやすくなります。

不良の発生件数や発生工程を一元管理できる

不良の情報は、種類や発生した工程ごとに分類して記録できます。傷や寸法不良などの不良区分を設定すれば、検査時に選択するだけで登録が可能です。

分類した不良データは、工程別・製品別に整理された状態で確認できます。不良データが一元管理されていれば、発生状況を工程ごとに比較しやすくなります。

担当者ごとの認識に左右されず、客観的なデータを基に状況を把握できるでしょう。

ロットや工程の情報から不良の発生元を追跡できる

登録した検査結果や不良情報は、ロット番号や工程の記録と紐づいた状態で保存されます。この紐づけにより、不良が見つかった際に製造履歴をさかのぼって確認できます。

この機能を活用すれば、不良が発生したロットや工程の特定が可能です。発生元を把握しやすくなるため、原因調査に着手するまでの時間を短縮できます。

品質データを可視化して不良の偏りを確認できる

蓄積した検査結果や不良件数は、一覧表や帳票で確認できます。

検査結果を集計することで、不良が集中している傾向を把握しやすくなります。品質データを可視化することで、改善すべき対象を絞り込めます。

不良発生後の対応履歴を再発防止に活用できる

不良が発生した際は、以下のような情報を案件ごとに記録できます。

  • 不良が発生した原因
  • 実施した対応内容
  • 是正処置の内容
  • 応急対応・再発防止策

これらの情報を案件ごとに記録・管理すれば、過去の対応履歴を振り返りやすくなります。また、システムによっては一時的な対応と再発防止策を分けて記録できるため、対応経過を管理しやすい仕組みです。

品質管理機能で管理できる主な項目

品質管理機能で管理できる主な項目

生産管理システムの品質管理機能では、検査結果や不良情報などを関連付けて管理できます。代表的な4つの項目を確認しましょう。

検査記録

検査記録として管理する主な情報は、以下のとおりです。

  • 製品情報(製品名・品番)
  • ロット番号(またはシリアル番号)
  • 検査工程(受入・工程内・最終など、どの段階での検査か)
  • 検査日
  • 検査担当者
  • 検査項目
  • 測定値
  • 合否結果

これらの情報を紐づけて一元管理することで、過去の検査履歴を確認しやすくなります。とくに、どの検査工程での記録かをあわせて管理しておくことで、不良発生時に問題の起きた工程を早期に絞り込め、原因究明や影響範囲の特定(トレーサビリティの確保)にも役立ちます。なお、不良がどの製造工程で発生したかは不良区分で、製造の履歴はロット番号を介して製造情報で確認できるため、検査記録側では検査段階の情報を持たせる形が重複がなく整理しやすくなります。

不良区分・判定基準

不良区分として管理する主な項目は、以下のとおりです。

  • 不良の種類(傷・寸法不良・異物混入など)
  • 発生工程
  • 発見時の状態

これらの情報を記録しておけば、不良がどの工程で、どのような状態で発生したのかを把握しやすくなります。また、不良区分や判定基準を統一することで、担当者ごとの判断のばらつきを抑えやすくなります。

ロット管理・トレーサビリティ

ロット管理として記録する主な項目は、以下のとおりです。

管理区分 管理する主な項目
原材料情報(入荷)
  • 仕入先
  • 仕入日
  • 原材料のロット番号
製造情報(工程)
  • 製造日
  • 製造した製品ロット番号
  • 使用した設備
  • 製造担当者
出荷情報(出荷)
  • 出荷日
  • 出荷先(顧客名)
  • 出荷数量
  • 出荷した製品ロット番号

これらの情報をロットごとに一元管理することで、製造履歴を追跡しやすくなります。ロット単位での紐づけにより、不良発生時の対応範囲を的確に絞り込めます。

是正処置・再発防止履歴

是正処置の履歴として管理する主な項目は、以下のとおりです。

  • 不良の原因
  • 対応内容
  • 再発防止策
  • 対策の完了日
  • 効果確認の結果

これらの情報を案件ごとに一元管理することで、過去の対応履歴をスムーズに確認できます。

類似する不良が発生した場合も、過去の原因や対応内容を参考にしながら、再発防止に向けた対策を検討しやすくなります。

品質管理機能を不良率の改善に活かす方法

品質管理機能を不良率の改善に活かす方法

品質データは、記録・管理するだけでなく、改善活動に活用することが重要です。ここでは、不良率の改善に向けた3つの活用方法を確認しましょう。

品質データから不良が多い品目や工程を特定する

パレート図イメージ

集計・蓄積した品質データは、パレート図などの分析手法に活用することで、改善すべき箇所を把握しやすくなります。パレート図はQC7つ道具(品質改善で用いられる代表的な分析手法)の一つで、不良の種類や発生工程ごとに件数を集計し、多い順に整理する手法です。優先的に対処すべき不良を明確にできるため、品質改善の第一歩として広く用いられています。

データに基づいて改善対象を絞り込めるため、効率よく品質改善を進められます。

トレーサビリティで不良の発生元と影響範囲を確認する

トレーサビリティの仕組みを活用すると、不良が発生した際に、原材料や製造工程、出荷先まで製造履歴を追跡できます。確認方法は、大きく分けて以下の2種類です。

項目 トレースバック トレースフォワード
確認内容 不良品から使用した原材料ロットや製造設備、作業者などをさかのぼって確認 原材料や製造ロットから、対象製品や出荷先を確認
主な活用場面 不良の原因を特定する場合 影響範囲や回収対象を特定する場合

トレースバックで発生元を特定し、トレースフォワードで影響範囲を確認します。両方の情報を活用することで、迅速な原因究明と適切な対応につながります。

対応履歴を蓄積して再発防止につなげる

不良が発生した際の対応を記録として残し、今後の改善活動に活用することが再発防止につながります。原因、暫定対策、恒久対策までを一連の流れとして履歴化する方法です。

記録が積み重なっていくと、特定の担当者しか対応方法を知らないという状況を抑えやすくなります。品質改善は一度の対策で終わらせず、記録と検証を繰り返しながら継続的に改善していく取り組みです。

品質管理に強い生産管理システムを選ぶときの確認ポイント

品質管理に強い生産管理システムを選ぶときの確認ポイント

品質管理機能を比較する際は、機能の有無だけでなく、自社の業務フローに合っているかも重要な判断基準です。生産管理システムを選ぶ際に、確認しておきたい4つのポイントを紹介します。

検査項目や判定基準を自社の品質管理業務に合わせて設定できるか

生産管理システムの検査項目や判定基準は、すべての現場で共通ではありません。業種や製品によって必要な管理項目は変わります。

設定内容を変更できないシステムでは、自社の品質管理業務に適した運用が難しくなる場合があります。

そのため、検査項目や判定基準を柔軟に設定できるかどうかは、導入前に確認しておきたいポイントです。

ロット管理とトレーサビリティに対応しているか

ロット管理やトレーサビリティの機能が備わっているかは、システム選定時に確認したいポイントです。原材料や製造工程、製造日時などの情報をロットごとに紐づけて管理できるかを確認しましょう。

出荷後に不具合が発生した場合でも、対象ロットから使用した原材料や製造工程をさかのぼって確認できます。

ロット単位で製造履歴を追跡できる仕組みがあれば、影響範囲を把握しやすくなり、迅速な対応につながります。

ERPやMESなど既存システムと連携できるか

品質管理機能を導入する際は、使用しているERP(基幹業務システム)やMES(製造実行システム)との連携可否を確認する必要があります。

これらのシステムと連携していないと、品質データと生産計画、在庫情報を別々に管理しなければなりません。担当者が手作業で情報を確認・照合する負担も増えます。

データを取り込める仕組みがあれば 、二重入力の手間を減らせます。既存システムとの連携範囲は、導入前の比較検討で確認しておく項目です。

自社の生産方式に適したシステムか

生産管理システムには、生産方式ごとに向き不向きがあります。品質管理機能が充実していても、生産方式に合わなければ運用が定着しません。

例えば、繰返し生産向けのシステムを個別受注生産に導入すると、品目登録や検査項目の管理が複雑になり、運用しづらくなる場合があります。

品質管理機能を現場で継続的に活用するためには、自社の生産方式に合ったシステムを選ぶことが大切です。

生産管理システムで品質管理を改善する際の注意点

生産管理システムで品質管理を改善する際の注意点

生産管理システムを導入するだけでは、品質管理業務が改善するとは限りません。運用面で押さえておきたい3つの注意点をご紹介します。

検査項目や不良分類を事前に整理しておく

検査項目や不良分類は、システム導入前に整理しておきましょう。追跡したい内容に対して記録項目が適切でないと、必要な情報を確認できない可能性があります。

工程別に不良の発生原因を分析したい場合でも、検査時に工程名を記録していなければ、原因を特定できません。

想定される不良ごとに、発生元の特定に必要な情報を整理したうえで記録項目を設計すると、必要なデータを漏れなく蓄積しやすくなります。

ロット管理の粒度は記録・管理作業が増えすぎない範囲に収める

ロット管理の単位を細かくすれば、詳細な追跡が可能になります。ただし、記録や入力の作業量も増えるため、自社の運用に合った管理単位を設定することが大切です。

1ロットの単位を極端に小さく設定すると、検査や入力の回数が増え、現場の負担が膨らみます。逆に単位を大きくしすぎると、不良発生時に対象範囲を絞り込みにくくなります。

生産数量や検査体制に適した管理単位を設定すると、運用負荷を抑えながら継続的に活用できるでしょう。

既存システムとの連携も考慮したデータ項目を定める

品質管理データをERPやMESなど既存システムと連携させるには、両方のシステムで扱う項目をそろえておく必要があります。

データ項目の名称や定義が統一されていないと、システム間で情報を連携する際に手間が発生します。部品表や工程表などのマスタ情報は、同じ部品を正しく管理するための重要な情報です。

リアルタイム更新や定期的なバッチ更新など、自社に適した連携方式を事前に検討しておきましょう。

生産革新シリーズは品質管理の要件に応えられます

生産革新シリーズは品質管理の要件に応えられます

ここまでの確認ポイントや注意点を踏まえ、OSKの「生産革新シリーズ」が品質管理業務にどう対応できるかをご紹介します。

自社の品質基準に合わせた検査項目・判定基準の柔軟な設定

生産革新シリーズでは、ローコード開発ツール「Custom AP Builder」により、独自の入力画面や管理項目、帳票をプログラミングなしで追加することが可能です。

検査項目や判定基準は、自社の品質管理業務に合わせて設定できます。標準機能では対応しにくい検査内容にも柔軟に対応しやすくなります。

自社の運用に合わせて、検査項目や判定基準を柔軟に管理できる仕組みです。

ロット管理・トレーサビリティへの対応

生産革新Ryu-jinには、製品と原材料のロットを双方向に追跡できる履歴管理機能が備わっています。使用した部品や仕掛在庫のロットと、実績出来高のロットを紐づけて管理する仕組みで、品質管理オプションを追加することで利用できる機能です。

配合型製造業向けの生産革新Blendjinでは、ロットトレース機能に加えて消費期限の設定にも対応しており、配合・充填を行う現場の品質管理を支えます。

不良や品質トラブルが発生した際は、対象ロットを起点に影響範囲を迅速に特定できます。

生産方式ごとに適したシステムを展開

生産革新シリーズは、生産方式ごとに適した以下の製品で構成されています。

品質管理機能が充実していても、生産方式に合わないシステムでは現場に定着しにくいでしょう。業種・業態ごとに用意された製品ラインアップにより、自社の生産スタイルに合った製品を選べます。

生産方式に適した製品を選択すると、品質管理機能を自社の業務に取り入れやすくなります。

まとめ

まとめ

生産管理システムの品質管理機能は、検査記録や不良情報、ロット履歴を紐づけて一元管理できる仕組みです。

記録の分散や判定基準のばらつきを解消し、不良の発生元をたどれる状態をつくることで、原因調査や再発防止の効率化につながります。システム選定では、品質管理機能が自社の運用に合っているかを確認しましょう。

OSKの「生産革新シリーズ」は、業種・業態ごとに製品を展開し、検査項目の柔軟な設定やロットトレースの標準対応など、品質管理の要件に応える体制を備えています。

  • 導入事例
    業種別・従業員規模別・利用目的別に事例を絞り込んで検索でき、自社と近い規模や生産方式の企業がどのようにシステムを活用しているかを簡単に確認できます。生産現場で実際に得られた業務改善効果や、導入までのプロセスなど、検討に役立つリアルな情報を把握でき、システム導入後のイメージをより明確に描くことができます。
  • まずは体験版で使い心地を確認
    システム導入前に実際の操作感を確かめたい方には、無料体験版をご用意しています。実際の業務画面を操作しながら、自社の業務フローに適しているか、使いやすさはどうかを事前に確認することができます。
    生産革新シリーズでは、「Wun-jin」のみお試し可能です。
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    製品の機能詳細や仕様、検討に必要な情報をまとめて確認できるため、社内での比較検討やご提案資料としても最適です。ぜひ導入検討の第一歩としてご活用ください。
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    「自社の業務に合うか相談したい」「具体的な見積もりが欲しい」など、ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門スタッフが、お客様の業務課題に応じた最適なソリューションをご提案いたします。
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