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ちょこ解 最大75万円の助成金ご存じですか?働きたい方への「短時間労働者労働時間延長支援コース」

ちょこ解シリーズ

最終更新日:2026/06/08

2026年10月1日に「106万円の壁」が撤廃されます。これは、パート・アルバイトなどの短時間労働者の働き控えによる労働力不足の解消や、社会保険加入による従業員の処遇改善につながります。しかし、企業にとっては社会保険料などの法定福利費の負担増を意味しています。

この負担を和らげる手段の一つとして、「キャリアアップ助成金」の活用を検討してみませんか。なかでも「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、短時間労働者の手取り収入が減少しないように処遇改善を行った事業主に対して支給される、企業と従業員の双方にメリットのある制度といえます。同コースの概要について、ちょこっと解説していきます。

「キャリアアップ助成金」とは

有期雇用労働者や短時間労働者などについて、労働意欲や能力の向上、正社員化や処遇改善等の取組を実施した事業主に支給される助成金が「キャリアアップ助成金」です。

事業主の取り組みごとに、「正社員化支援」と「処遇改善支援」で複数のコースが用意されています。このなかから、今回は、2025年7月に新設された「短時間労働者労働時間延長支援コース」について解説します。

正社員化支援 正社員化コース
障害者正社員化コース
処遇改善支援 賃金規定等改定コース
賃金規定等共通化コース
賞与・退職金制度導入コース
短時間労働者労働時間延長支援コース

「短時間労働者労働時間延長支援コース」とは

短時間労働者の働き控えの要因とされる、いわゆる「年収の壁」。2024年10月の社会保険適用範囲拡大による対策として、「社会保険適用時処遇改善コース」が設けられました。しかしこの制度は、標準報酬月額10.4万円以下の従業員が対象であるため、「106万円の壁」の対策にはなっても「130万円の壁」には対応できない、という課題がありました。

こうした背景を踏まえて、要件を見直して新たに創設されたのが「短時間労働者労働時間延長支援コース」です。

この2コースはその趣旨が大きく異なります。従来の「社会保険適用時処遇改善コース」は、「社会保険加入により従業員の手取り額が減少することを防ぐ」ことを目的として、手当支給、賃上げ、労働時間延長のいずれか、あるいは組み合わせた取り組みでした。今回の「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、「しっかりと働いて給与も増やし、長期的に人材を確保する」ことを目的として、労働時間延長が必須、さらに賃上げも求めています。

本コースでは、従業員の収入増加の取り組みを行った企業に対し、対象となる従業員1人当たり2年間で最大75万円の助成金が支給されます。従来のコースが50万円であったことと比べても、支援が手厚くなっています。

出典:厚生労働省キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長支援コース)のご案内

対象となる従業員は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 社会保険加入日時点で6か月以上継続して雇用されていて、過去2年以内に加入履歴がないこと
  • 労働時間の延長後、6か月以上継続して雇用され、賃金が支払われていること

また、本コースでは1年目と2年目では取り組みの要件が異なり、2年目にはさらなる収入増加に向けた対応が求められます。ただし、1年目のみの活用も可能なので、状況に応じて柔軟な利用ができます。

申請の手続き

コース実施の前日までにキャリアアップ計画書を作成し、管轄労働局へ提出します。取り組み開始後の提出は認められません。

まず1年目の取り組みとして、従業員を新たに社会保険に加入させて、労働時間の延長と賃金の増加を実施します。支給申請書の提出は、6か月目の賃金支払いを終えてから2か月以内に行います。助成金は、1人当たり最大50万円(小規模企業の場合)です。

さらに2年目は、「2時間以上の労働時間延長」あるいは「基本給の5%以上の増加または昇給、賞与もしくは退職制度の適用」を行います。1年目と同様に、6か月目の賃金支払いを終えてから2か月以内に支給申請書を提出します。助成金は、1人当たり最大25万円(小規模企業の場合)となります。

まとめ

人手不足への対応や従業員の定着率向上といった観点からも、本制度は企業・従業員の双方にメリットのある有効な選択肢の一つといえるでしょう。今後の人材活用戦略の一環として、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

また、本コースは暫定的な制度のため将来的な継続は不明です。活用を検討している場合は、機会を逃さないためにも早めの判断をお勧めします。

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