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ちょこ解 3分で理解する「子ども・子育て支援金」

ちょこ解シリーズ

最終更新日:2026/3/11

2026年4月から新たな社会保険制度の一部として「子ども・子育て支援金」制度が開始します。「独身税」と揶揄されたことは記憶に新しいかもしれません。この制度は、医療保険に加入しているすべての人、すなわち、独身者も既婚者も、子育て最中の方も高齢者も全員が対象となります。

給与明細上では 健康保険料が上がったように見えるため、「なぜ負担が増えたのか?」といった疑問を感じることでしょう。今回は、「子ども・子育て支援金」の目的や健康保険料は具体的にどう変わるのか、また名称の似ている「子ども・子育て拠出金」との違いについて、ちょこっと解説していきます。その目的と実際の負担額について3分で理解しましょう。

「子ども・子育て支援金」創設の目的

2030年代には若い世代が急減し、社会保障制度を支える人口の不足が懸念されています。こうした背景から、「子育て家庭だけでなく、社会全体で子どもを支える仕組みをつくる」取り組みの一環として、「子ども・子育て支援金」が創設されました。

この支援金は、以下のような施策の財源として充てられます。

施策 概要
児童手当の拡充 所得制限を撤廃し、高校生年代まで延長
妊婦のための支援給付 妊娠・出産時に10万円の給付金
子ども誰でも通園制度 保護者の就労状況に関係なく、満3歳未満の子どもが月10時間まで保育所などを利用できる制度
出生後休業支援給付 夫婦ともに育児休業を取得した場合に、育児休業給付金と合わせて手取り10割相当の給付
育児時短就業給付 時短勤務中の賃金の10%を支給
国民年金保険料免除措置 国民年金第1号被保険者について、子どもが1歳になるまで国民年金保険料を免除

徴収の開始時期とその金額

「子ども・子育て支援金」は、健康保険組合などの医療保険の仕組みを通じて徴収されるため、給与明細上では「健康保険料が上がったように見える」形となります。2026年4月分の保険料から開始されますが、健康保険は「翌月徴収」方式をとる企業が大半のため、給与から天引きされるのは2026年5月となるのが一般的です。

2026年度の支援金率の基準は、0.23%ですが、健康保険料と同様に企業と従業員で折半するため、従業員の負担は 半分の0.115%となります。今後、2028年まで段階的に引き上げられる予定です。

例)標準報酬月額200,000の場合、支援金は230円

標準報酬月額500,000の場合、支援金は575円

支援金の徴収は、給与だけでなく賞与も対象です。健康保険料や厚生年金保険料と同様に、育休期間中や産休期間中においては支援金も免除されます。

一方、国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入されている方は徴収開始時期が異なり、6~7月に具体的な金額や徴収開始時期が通知されます。

参考)全国健康保険協会:令和8年度保険料額表(令和8年3月分から)

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r08/r8ryougakuhyou3gatukara/

給与担当者は実務の確認を

「子ども・子育て支援金」は、保険料に上乗せされる仕組みです。そのため、給与計算における保険料率の設定や計算式の追加、表示方法の確認等が必要となります。

給与明細書への表示は、健康保険料に合算して表示する、あるいは「子ども・子育て支援金」を別項目で表示する、の2つの方法があります。内容が分かりやすい別項目での表示をおすすめします。

保険料率の追加や別項目での表示などは給与システムの設定変更が必要となるため、以下の点をあらかじめ確認しておきましょう。

  • 支援金率の設定の追加方法(毎年変更となる予定)
  • 健康保険料の計算式への影響、更新有無の確認
  • 育児休業中の保険料免除への対応
  • 給与明細書への出力方法(健康保険料に合算表示/別項目で表示)

給与計算を手作業で行っている場合は、2028年まで段階的に引き上げられる支援金率に合わせた計算や、育児休業中の従業員の保険料免除等、の煩雑な作業が必要となります。このタイミングでシステム化の検討も考えてはいかがでしょうか。

「子ども・子育て拠出金」とは?

似たような名称の制度に「子ども・子育て拠出金」があります。こちらは、2015年4月から実施され、子育て支援事業や育児支援に関する施策の財源として使用されています。厚生年金に加入している全従業員を対象として企業が全額負担し、従業員は徴収負担がなく、 給与明細書に記載がないため、認知度はあまり高くありません。

「子ども・子育て支援金」との違いは、以下の通りです。給与計算においては全くの別物のため、しっかりと区別して扱いましょう。

子ども・子育て支援金 子ども・子育て拠出金
負担者 企業と従業員で折半 企業が全額負担
徴収方法 健康保険に上乗せ 厚生年金に上乗せ
対象者 全世代の医療保険加入者 厚生年金に加入している従業員
開始時期 2026年4月 2015年4月
開始時期
  • 児童手当の拡充
  • 妊婦のための支援
  • 子ども誰でも通園制度
  • 育児休業、時短勤務時の賃金保障
  • 児童手当
  • 仕事と子育ての両立支援事業

最後に

今回の「子ども・子育て支援金」が始まることで、毎月の負担額は増えます。

しかしこれは、そう遠くはない日本の将来の社会保障を維持するために「社会全体で子どもを支える」という目的で導入された制度です。自分自身の将来につながっていく、という趣旨をふまえて、内容を理解していきましょう。

また、子ども家庭庁からはポスターやリーフレットが提供されています。社内での周知や案内にこれらの資料を活用することもおすすめです。

参考)

子ども・子育て支援金制度について(こども家庭庁)

https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido

被用者保険加入者向け「子ども・子育て支援金制度リーフレット(こども家庭庁)

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/fb3dbb28-102a-4840-90a5-00ad2e0d117f/47e1295d/20260226policies-kodomokosodateshienkinseido-09.pdf

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