ちょこ解 準備はOK?2026年4月から問われる荷主・運送者の新たな責任
最終更新日:2026/2/12
2024年の働き方改革の本格適用を契機に物流・貨物運送に関する法改正が集中し、ここ数年は「運送事業者」だけでなく「荷主」に対する規制強化の改正が増えています。
2026年4月には物流効率化法と貨物自動車運送事業法の改正が施行されます。「荷主」「運送事業者」のどちらも対象となります。いずれも1年以上前に公布されたものなので、内容を忘れてはいませんか?荷主企業、元請企業にはこれまで以上の管理が求められます。その内容について改めてちょこっと解説しますので、対応に漏れがないか確認しておきましょう。
2026年4月に施行対象となる改正法
2026年4月に施行される内容は以下の通りです。
- 特定荷主・特定運送事業者の「届出制度」開始
- 荷待ち時間削減、積載率向上、共同配送などの効率化施策を含む中長期計画を策定し、定期報告する義務
- 物流統括責任者(CLO)選定の義務
- 白トラ(無許可業者)への委託の禁止対象の拡大
- 再委託の制限を2回以内とする(努力義務)
- 「実運送体制管理簿」作成義務の拡大
- 貨物利用運送事業者にも義務化
- 契約締結時の書面交付義務の拡大
- 貨物利用運送事業者にも義務化
それぞれの詳細内容について、3つのカテゴリーで説明します。
特定荷主・特定運送事業者の「届出制度」開始
すべての荷主・物流事業者に対し、物流効率化への取り組みが努力義務として課されています。そのなかでも、荷主であれば年間の取扱貨物が9万トン以上の場合、運送事業者であれば保有車両台数が150台以上の場合は特定事業者に該当し、下記の義務が発生します。
| 荷主 | 運送事業者 | ||
|---|---|---|---|
| 届出書 | 貨物の受渡しの状況届出書 | 輸送能力届出書 | |
| 物流統括責任者(CLO) | 選任義務あり | ― | |
| 中長期計画の作成・提出 | 〇(2026年10月末、5年ごとに7月末) | 〇(2026年10月末、5年ごとに7月末) | |
| 定期報告 | 〇(2027年以降毎年7月末) | 〇(2027年以降毎年7月末) | |
| 荷待ち・荷役時間の調査 | 〇(四半期ごとに5日以上) |
― ただし、定期報告で荷待ち・荷役時間の短縮に関する取り組み状況を記載する必要あり |
|
| 罰則 | 50万円以下の罰金 | 届出を行わない、または虚偽の提出 | 届出を行わない、または虚偽の提出 |
| 中長期計画を提出しない | 中長期計画を提出しない | ||
| 定期報告を行わない、または虚偽の報告 | 定期報告を行わない、または虚偽の報告 | ||
| 立ち入り検査を拒み、妨げ、忌避した場合 | ― | ||
| 20万円以下の過料 | CLOの届出を行わない、または虚偽の届出 | ― | |
| 100万円以下の罰金 | 命令に違反した場合 | 命令に違反した場合 | |
| CLOの選任を行わない | ― | ||
どちらの特定事業者も、非効率的な作業やドライバーの労働時間を改善するために「積載効率向上」「荷待ち時間短縮」「荷役時間短縮」に向けて①どのような取り組みを行うか、②具体的な内容・目標、③実施時期、の中長期計画を作成する義務があります。
これまで“ブラックボックス”であった荷待ち時間や荷役時間の報告が義務化されることで、荷主指示による荷待ちなど、運送側だけでは改善できない構造問題が明確になり、双方で協議して取り組みが進むことを目的としています。
該当する荷主・運送事業者は、早急に届出書および中長期計画の作成状況について確認しましょう。また、中長期計画は定期的な確認、見直しが必要です。そのための情報の取得方法や管理方法についても検討、確認しておきましょう。
白トラ(無許可業者)への委託の禁止
これまでは、無許可営業の白ナンバートラックが運送行為を行った場合の罰則対象はその運送業者でしたが、2026年4月以降は依頼をした荷主も罰則の対象となり、100万円以下の罰金が科されます。さらに、国土交通大臣から要請・勧告を受ける可能性もあり、場合によっては社名が公表されます。
荷主企業は誤って白トラを使うことがないように、ナンバープレート、運送事業許可を確認し、運送契約書・発注書を書面で残すことが重要になります。
多重下請け是正への規制強化
物流業界で常態化していた多重下請け構造の是正と運賃の適正化を目的として、再委託を2回以内に制限する努力義務が科されます。
元請事業者には、最終的に運んだ業者を把握する「実運送体制管理簿」を作成する義務、契約締結時に書面交付・保存する義務があります。これまでは自社でトラックを保有する「一般貨物自動車運送事業者」のみがその対象でしたが、2026年4月以降は、自社ではトラックを保有しない「貨物利用運送事業者」も同様に対象となります。
すべての元請事業者は、「実運送体制管理簿」「契約書」作成が義務となります。これらの書類は、再委託を2回以内に制限していることを証明する書類でもあります、保管についても慎重に行いましょう。
準備作業のまとめ
2026年4月に施行される改正法では、いずれも、書類の作成と保管、その書類の内容に沿った作業の実施とその記録が重要となります。口頭での約束や書類作成を行わない行為は禁止であり、罰則が伴う場合もあります。「依頼先に任せていたから知らない」は今後通用しません。
これらの書類整備や管理体制の見直しは、2028年中に施行される、5年ごとの許可更新制度の導入に向けた備えともなります。
まずは、「実運送体制管理簿」「契約書」「発注書」といった書類の作成、社内の管理担当の明確化と業務フローの見直し、実作業記録の管理と保管を確実に行うようにしましょう。これからは、「選ばれる企業」として持続可能な仕組みを用意することが必要です。紙の書類管理やExcel管理で対応している場合は、まずはそこからの脱却を検討してみませんか。
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