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運送業のお客様へ 原価の見える化が利益を守る-運送会社が取り組むべき原価管理とは

製品利用シリーズ

最終更新日:2026/07/09

ドライバー不足の深刻化に加え、燃油価格急騰の影響をいちばん受けているのが運送業界です。

「売上はあるのに利益が残らない」という問題を解消する第一歩は、かかるコストを明確に数値で把握することです。現状から脱却するためにも、そのカギとなる「原価管理」を見直してみませんか。

トラック運送業をめぐる背景

取引の適正化を促す「取適法」の施行により適正運賃での取引を交渉する環境は整いつつありますが、まだ十分に反映されているとは言い難い状況といえます。多くの運送事業者は、燃料費や人件費の増加を認識しているものの、運賃に反映できていないのが実情です。

出典:中小企業庁「価格交渉促進月間(2025年9月)フォローアップ調査結果」を加工して作成

それを裏付けるデータが、中小企業庁による価格交渉・価格転嫁の状況調査です。

2025年9月の調査では、全業種の価格転嫁平均53.5%に対して、トラック運送業は36.5%と最下位でした。これは、コストが100万円上昇したときに、そのうちの60万円強を自社で負担している計算となります。

2023年の調査から一貫して転嫁率の最下位が続いており、収益を圧迫している構造が変わっていないといえます。

出典:中小企業庁「価格交渉促進月間(2025年9月)フォローアップ調査結果」を加工して作成

また、同調査によると、トラック運送業は価格交渉に応じられていない業種としても最下位であり、こちらも3年連続です。

さらに大きな衝撃を与える試算があります。帝国データバンクの「燃料費の高騰が企業に与える影響度調査(2026年3月)」では、「燃料費が2025年比30%増となった場合、運輸業の利益は8割消失」との見解を述べています。運送業では売上高に占める燃料費の割合が極めて高いため、対策が十分でない場合は経営に著しいダメージを与えることになります。

※2025年燃料小売価格は177円/L(レギュラー)で換算

出典:帝国データバンク「燃料費の高騰が企業に与える影響度調査(2026年3月)」掲示資料を加工して作成

「どんぶり勘定」になっていませんか?

変動要因が多く、案件ごとの原価を把握しにくい運送業界は、「どんぶり勘定」と言われる一面があります。とりわけトラック車両は固定費の負担が大きく、稼働状況や運行効率が収益に大きく影響するのに、案件別・顧客別の原価が把握できていないケースが見受けられます。これが、価格転嫁が進まない理由の一つといえます。

そこで重要になってくるのが、輸送単位(便別・顧客別など)に原価を把握し、コスト構造を明確にすることです。稼働時間や走行距離、経費などのデータは、「この条件だと、これだけの費用が増加している」といった可視化につながり、業務改善や相手との交渉における優先順位を把握しやすくなります。さらに、納期の緩和や一括輸送など、コストを抑える運送方法の工夫へと展開していくことも効果的でしょう。

原価データに裏付けられた具体的な説明により、価格交渉が必要な場合も、それは単なる値上げ要請ではなく、継続的な取引に向けた円滑な交渉を支える手段となります。

(参考)トラックスター「車両別収支一覧表」

客観的な根拠の重要性

荷主との交渉においては、まずは原価の正確な把握が重要です。独自の原価計算モデルの構築が難しい場合は、国土交通省の「標準的な運賃」や、全日本トラック協会(全ト協)が提供する原価計算ツールといった公的な計算モデル既存ツールの利用を検討しましょう。客観的かつ透明性のある運賃の根拠を示すことができます。

こうした公的な指針の活用に加え、自社の実績データを示すことも欠かせません。そのためにも、自社のコストを正確に把握できる仕組み、すなわち原価の把握が不可欠となります。さらに、業務の効率化をセットで提案することができれば、それは荷主にとっても安定した輸送品質と物流体制を確保するための取り組みとして、理解されやすくなるでしょう。

システム導入による効率化

ただし、原価を正確に把握するための計算作業は簡単ではありません。車両ごとの経費や燃料費、労務費などをExcelや手計算で管理し続けるには限界があります。また、燃料費や人件費などのコストは常に変動するため、一度計算した結果をそのまま使い続けることもできません。原価情報を継続的に活用するためには、日々発生する業務データを効率的に管理する仕組みが必要です。

こうした課題を解決するうえで有効なのがシステムの活用です。原価計算の精度向上と業務負担の軽減を実現するだけでなく、スピーディな経営判断も期待できます。

『SMILE V トラックスター』を導入し、正確な原価計算に基づく「採算の見える化」によって、業績を大きく向上させた炭平ロジスティクス様の事例をご紹介します。

最後に

これからの運送業が安定した物流を支える適正な利益を確保するには、自社のコストを正確に把握し、事業を継続していくことが重要です。原価を管理することは、単なる価格交渉の手段にとどまりません。取引内容の見直しや運行ルートの最適化といった、具体的な経営改善にもつながります。こうした改善に向けて実践している姿勢は、荷主からの理解を得るうえでも重要なことです。

原価管理を物流の持続性を共同で支え、成長するための土台として位置づけ、積極的に取り組んでいきましょう。

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